年始(1/1〜1/5の出来事)

 正月の挨拶をするブログなんかになってたまるか!と意味不明な怪気炎をとりあえず上げて、今年は寺脇研的生き方を考えたい。或いは西森マリー的な生き方を。
 それから、流石に映画方面のブログを始めて4年目なのだから、多少は人目に触れることを目指すようなブログにした方が良いんじゃないかという気もしてきた。ただ、そーゆー方面を目指すと、例えば気にしてないフリしてしっかり見ている、はてなブックマークがウチは全くつかないのを何とかすべきではないのかというハナシにもなってくる。今までの最高が、YOU TUBEに貼ってある植木等のお呼びでない動画を紹介したやつと、シネマヴェーラのラインナップ紹介で8人にブックマークされただけで、全く内容に関係していない。単なる情報伝達でしかない。他んとこ見たら、めちゃ薄い内容のDVD化情報の紹介とかで、ぐわーっとブックマークされていて、よくわからない。ウチは同じ内容を一月前に、公開時の雑誌に載った監督の一文まで引っ張ってきて紹介したのに、ブックマーク一つついてないと。ヒトに聞くと、ブックマークの概念はそーゆーものではないらしいが、薄い情報なんぞいらん、どれだけ濃いかが問題だ、という一点張りでは、どうもいけないらしい。個人的には、はてなブックマークは一切使用していないし、使用する気もなく、あんなもん公開してる奴の気が知れないが。んじゃ、オマエもアンテナ見えないようにしろと言われたらそりゃそうだ。結局、観た映画のことを主にその周辺のコトを適当に書くだけになるだろう。


 
 結局年始は、映画館へも行かず、ビデオもDVDも観ることなく、酒飲んで、年末のオールザッツ他、関西の演芸番組をチェックして友人に関西のお笑い勢力分布変化のレクチャーを受けながら、M-1の時間規定が漫才の形骸化に繋がっていることへの批判、むしろオールザッツを全国放送にすべきという意見を、皆いい歳してムキになって喋る。帰ってきてから更にオカンの分析による去年伸びた若手芸人のオススメを無理矢理聞かされるが、イチオシはいがわゆり蚊とのこと。その後ネタを見たら面白かった。ABCお笑い新人グランプリでも優秀新人賞獲ったし、同じ大学だしで、贔屓筋の芸人にする。
 後は家で朝から飲むか、飲みに行くかキャバクラ通いに終始。姫路のキャバクラの安っぽさが最高。リーズナブル過ぎる価格と田舎のロリ顔の自称20歳の姉ちゃんと、地元&出身中学が一緒だったので盛り上がるという帰省時ならではの嫌な感じを味わいつつ、「東京にはヤマンバ多い?」発言や、「最近オメコが痒いねん」といった発言に喜びつつ、当然病院行けと答えておく。例によって家族構成やカレシに振るわれたDVの思い出を聞き出したり、特技である会話の端々から推察して実年齢と血液型を一発当てしたりしつつ、一緒に行った従弟からの、そんなん楽しないやろと言われつつ、まあまあ楽しかったかなと。
 
 別日に飛田遊郭で写メ撮って恐ろしい目に遭うが、リアル『(秘)色情めす市場』的出来事過ぎて、とても書けない。シャクレ具合が芹明香みたいなのが出てきて凄かった。
 あ、実家に置きっぱなしの本を読んでいたら、坂本礼のデビュー作『セックスフレンド 濡れざかり』で、芹明香にオファーしたら断られたと書いてあった。結局、坂本礼の母親が完成した作品では演じていることのこと。忘れない内に覚書。
 

 恒例の裏DVD探検隊は、日本橋の雑居ビルをまた回って新規開拓に勤しむ。嫁はん居るのに裏ビデオを購入し続けている友人(高校生の頃から難波の裏ビデオ屋に出没し、某ヒットシリーズをかなりの先見性を持って的中させ、店のオッサンにこれは当たるから大量に仕入れるようにアドヴァイスし、事実大当たりして莫大な利益を店に還元させた実績を持つ。ちなみにその店は間もなく摘発され、高校生だった友人は、あのオッサンは元気で裏街道を驀進しているのかと、今でも気になるとのこと)の案内で今回入った数軒の内、当たりは一軒。1本千円という良心的価格且つ、6本買えば五千円で更に1本サービスするとのことで、7本を五千円で買えることになる。二人で買えば4本+3本という形で購入できるし、一本700円程度で買えるから、これは安い。友人のハナシによると、以前行っていた店の大半は、ロリ系(と言っても中高生ね)はもう危なくて扱っていないから、ラインナップがあまりよろしくないとのこと。その点、今回見つけた店はそこらも完備しているので、作品の並びが豊富ではあった。企画モノの流出が増えたといったハナシをしつつ、店番の異様に愛想の良いチンピラの兄ちゃん達が、もう危ないから看板引っ込めるけど、インターホン押してくれたら営業はずっとやってるからよろしくと言ってた。こないだ捕まった自称芸能プロダクション経営のオッサンが、所属している中高校生を撮ったシリーズが大量に出ていたので感心して眺めていたら、友人いわく、画質は良いが撮影は最悪とのことらしい。それよりもその中の糸子ちゃんという子のシリーズが、PART22まで出ていて、他の子は1本しか出ていないのに、糸子ちゃんは余りにも出過ぎなので、糸子ちゃん騙され過ぎやろ!とデカイ声で突っ込んで笑う。
 
  

 『女囚性欲魔』『性虐!女を暴く』『痴漢電車盗み撮り 上から下から』『もだえ苦しむ活字中毒者 地獄の味噌蔵/よろこびの渦巻』

1)『女囚性欲魔』(和泉聖治) 
2)『性虐!女を暴く』(広木隆一) 
3)『痴漢電車盗み撮り 上から下から』(滝田洋二郎) 
4)『もだえ苦しむ活字中毒者 地獄の味噌蔵/よろこびの渦巻』(黒沢清) 

桃色映画クラシックス 女囚性欲魔 [DVD] 桃色映画クラシックス 性虐!女を暴く [DVD] 痴漢電車盗み撮り 上から下から [DVD] DRAMADAS 黒沢清×椎名誠の摩訶不思議世界 もだえ苦しむ活字中毒者/よろこびの渦巻 [DVD] 
 中古ビデオの帝王、日本橋「道楽」へ、ちょっとだけ立ち寄る。
 毎回来る度に店頭の並びに変化があるが、DVDが飛躍的に増えていた。それもパブリックドメインだけではなく、レンタル落ちが。『赤線』とか500円になっていたが、この作品は本当に死ぬほど大愚作だと思ったので、500円でも買う気がしない。それより、例の新宿アルタ裏のエロビデオ屋の一角に充実した作品が並んだことで話題になった作品と同系統の、どうやら同じルートから出たらしい作品群があったのが良かった。東京では千円だったのが、流石の大阪価格で780円。安っす!と抱え込むが、あっという間に一万越えをしていたので、落ち着きを取り戻し、適度な作品を軽く購入するに止める。
 そういえば、先日3980円で買った『渡辺護×大和屋竺セレクション「おんな地獄唄 尺八弁天」「(秘)湯の町 夜のひとで」DVD-SET』が2980円であったが、即座に視界から遮断する。ま、定価で買ってなかっただけ幸いか。
 購入したのは上記の通り。全て780円。こう言っては何だが、"たかが”ピンク映画なんだから、アップリンクみたいに特典映像を入れるわけでもなく、60分の本編を入れるだけなら、780円というのは実に適正価格だと思う。パブリックドメインDVDは、画質やスーパーに問題を感じるにせよ、500円で正規DVD化されていない作品や、気軽に名作に触れられることで裾野を広げたと感じるように、本編収録だけの60分しかないピンク映画は、千円とかで売ればまだ可能性があるような気もするが。どうせマスターはDVDのちょっと前にビデオ化された時のものなんだろうし。
 1)、2)は以前観ているのでアレだが、3)は、このシリーズは何本か観ているとは言え、コチラは未見。
 4)は、アルタ裏にもあったらしいが、買い逃して悔しかったので幸い。
 

 『異形の監督ジェス・フランコ―ユーロ・トラッシュ映画がほこる巨匠のすべて』『ブライアン・デ・パルマ―World is yours』『シネマ・ガレージ』『タッチで味わう映画の見方』『デジカメとパソコンでできる映画制作ワークショップ』『ヒューマン・カーティス:ウェブ時代のショートムービー』

1)『異形の監督ジェス・フランコ―ユーロ・トラッシュ映画がほこる巨匠のすべて』 木野雅之 (洋泉社)  
2)『ブライアン・デ・パルマ―World is yours』 三留まゆみ[監修] (洋泉社)  
3)『シネマ・ガレージ 廃墟のなかの子供たち』 森直人 (フィルムアート社)  
4)『タッチで味わう映画の見方』 石原陽一郎 (フィルムアート社)  
5)『デジカメとパソコンでできる映画制作ワークショップ』 西村安弘 (フィルムアート社)  
6)『ヒルマン・カーティス:ウェブ時代のショートムービー』 ヒルマン・カーティス (フィルムアート社)  

異形の監督ジェス・フランコ―ユーロ・トラッシュ映画がほこる巨匠のすべて (映画秘宝COLLECTION) ブライアン・デ・パルマ―World is yours (映画秘宝COLLECTION (36)) シネマ・ガレージ―廃墟のなかの子供たち タッチで味わう映画の見方 (ムーヴィー・リテラシー) デジカメとパソコンでできる映画制作ワークショップ ヒルマン・カーティス:ウェブ時代のショート・ムービー
 洋泉社とフィルムアート社の本をくれる友人から貰う。が、1)〜3)まで、つまりは洋泉社の分だけは貰って嬉しかったけど、フィルムアート社の分は全くいらんなと。その場でもそう言ったが、重たいから持って帰れ、いらんかったら売れと言われたので嫌々持って帰る。とはいえ感謝。
 って、後で気づいたが、3)はフィルムアート社だった。考えたらこの方、秘宝系は一切係わり無くてキネ旬系だしな。
 1)は、買おうと思いつつ、価格が微妙なのでそのうちと思っていただけに、かなり幸い。中古ビデオで見つけては持ち帰るも、観る度に謎が増して全貌が掴めないジェス・フランコだが、こういう本を横に置いておくと今後の中古ビデオ発掘に楽しさが増すなと。
 2)こんな本、出てたのすら知らなかったが、昨年末に出ていた模様。こちらも貰ってかなり嬉しい。三留まゆみが全面に出ているのかと思いきや、自身は『ファントム・オブ・パラダイス』に徹している。チタン柳下の充実したデ・パルマ論がやはり目を引く。一応、オカマの今野雄二も書いてるし(しかもこのオカマだけ、デ・パーマ表記に拘るのも実にオカマらしく、態々注釈で[筆者の意向により、この項のみ「ブライアン・デ・パーマ」と表記しております]と書いてある。ま、単行本の統一表記が崩れるのは如何なものかという気がするとは言え、デ・パーマは別に良いかと思えるので違和感はないが。ケヴィン・コストナーとかレナード・ディカプリオみたいな『スクリーン』表記にされることに比べれば文士の癖、オカマの癖の類だから構わない。
 3)森直人批評集。いつの間にか名前を覚えて、やたらと目にして読んでた森直人。本書もパラパラとめくってみるだけで、読んだことのあるものがケッコーあった。この方には別に悪印象はなく、いつもどっかに居るなあという感じで。強いて言えば、馬力のあるヒトなんだなと。一時期の阿部嘉昭みたいな感じで、制限がなければどこまでも書いてるみたいな。今後どういう展開をしていくヒトなのかなという思いは少しある。むしろポスト阿部嘉昭ではなく、ポスト野村正昭なのかなと。
 4)石原陽一郎というヒトは全く知らないが、長澤まさみの映画から見方を味わうのかと思ったらどうも違うらしく、古今東西の作品から懇切丁寧に映画の見方を教えてくださる有難い本らしい。流石フィルムアート社である。やたらとタッチと書いてある。「ゴダールタッチ」「北野タッチ」「リンチタッチ」「トリアータッチ」「タランティーノタッチ」「黒沢清タッチ」と恥ずかしくなるようなタイトルが連呼されている。しかもレイアウトがスカスカで、夫々一頁の半分くらいの文量でしか書いてない。こんなもん棚に並べておくと友人から軽蔑されそうな気がするので、誰かにあげてしまうか売り払うかしようかと。
 5)、6)この本を読んでもう一度自主映画の作り方を勉強しようかと思うわけもなく、これまた極めていらん本ですな。

 新春記念として、上記の私がいらんといった本(4〜6)を所望される方は、以下の設問に正解すれば差し上げます。

Q:脚本家兼映画批評家の桂○穂氏は、『それでもボクはやってない』の試写会後に某映画ライター氏と食事をしました。作品が傑作だったので二人して褒め称えましたが、その映画ライター氏が漏らした「でもピンク上がりだからな」の言葉に、桂○穂氏は激怒しました。「ピンクで何が悪いんですか。現在の日本映画の主戦力となっている監督達の多くは、ピンクやロマンポルノ出身じゃないですか!」と、桂○穂氏は激しくまくし立てたと言います。
 さて、そんな不埒な発言をした某映画ライター氏とは誰でしょう。実名でお答えください。

 上記設問の答えがわかった方は、メールではなく、コメント欄へどうぞ。あの映画ライターなら、こんなことを言いかねないと思われる名前を挙げていただくのは特に歓迎しますが、当方は一切責任は負いません。正解が出た場合は、それが正解ですと言いますので。ちなみに上記の本について書いた中で名前を挙げたライターの方々は無関係ですので誤解なきよう。

 『大和屋竺ダイナマイト傑作選 荒野のダッチワイフ』

1)『大和屋竺ダイナマイト傑作選 荒野のダッチワイフ』  高橋洋塩田明彦・井川耕一郎:編 (フィルムアート社)  

荒野のダッチワイフ―大和屋竺ダイナマイト傑作選
 良い時期のフィルムアート社本。と言ってしまっては申し訳ないが、ワイズ出版だと思っていたら、こっちはフィルムアート社から出てたのね。
 この本、出て直ぐに買ってたのに、その後ハンドーセーしていた方に持っていかれてしまい、そのまま返却ならなかった為に買い直し。その方とは、以降も緩やかな関係が続いていたので何度か返却してもらえそうな機会があったものの、その度に逃し、近年遂に緩やかな関係が壊れて着信拒否に至ったので完全に諦め、再購入をすることにする。本書も含めて『山中貞雄全集』とか、高い脚本集を持っていかれてしまったのは、買い直しの面倒さを考えても辛いことだと痛感するのみだが、同じ趣味趣向の者がアヘアヘするのが悪いんだと思って諦めるしかない。
 しかし、『大和屋竺ダイナマイト傑作選 荒野のダッチワイフ』はめちゃ高くて、5500円もするんである。一回買ったものをもう一度5500円とは、勢いをつけても中々腰が上がらず、嫌で嫌でしょうがなかったが、そうこうしている内に書店で見かけなくなり、品切れ状態と聞くに及んで、そんなことも言ってられないので見かけ次第購入しようと決めていたら、難波の千日前古書センター(ここは昔から映画本が充実していて東京よりも全体的に安い)で3500円であったので、5500円をもう一度盗られることを思えば、これぐらいなら良いやと思い購入。
 久々に読み直してもやはり魅力溢れる脚本集で、『裏切りの季節』も『毛の生えた拳銃』も『引き裂かれたブルーフィルム』も『裸の銃弾』も、購入当初は観ることができなかったんだと思い返した。そして、今年は愈々『愛欲の罠』のDVD化をジェネオンが敢行する。公開時の評価はかなり低いが、そんなものは当時の人間が間違って攻撃しているに決まっているので、ひたすら期待して待っている。ついでに未見の監督作『発見への旅だち』、脚本作『にぎやかな家族』という東映教育映画の組み合わせをどこかで観られないかとも思う。

 『丑三つの村』『好色源平絵巻』『八つ墓村(パターン1)』『八つ墓村(パターン2)』『天河伝説殺人事件(パターン1)』『天河伝説殺人事件(パターン2)』『吾輩は猫である』『愛ふただび』『RAMPO(奥山版)』

1)『丑三つの村』  (田中登) 
2)『好色源平絵巻』 (深尾道典) 
3)『八つ墓村(パターン1)』  (市川崑) 
4)『八つ墓村(パターン2)』  (市川崑) 
5)『天河伝説殺人事件(パターン1)』  (市川崑)  
6)『天河伝説殺人事件(パターン2)』  (市川崑) 
7)『吾輩は猫である』  (市川崑) 
8)『愛ふただび』  (市川崑) 
9)『RAMPO 奥山版』  (奥山和由) 

 堂山アクトⅢホールの、正月と盆好例のポスター市へ久々に立ち寄る。これも10年以上前からやってるなと思い返す。ここで市川崑金田一シリーズのポスターはコンプしたが、普段はそうポスターを集める趣味は持ち合わせておらず、せいぜい気に入ったのがあれば偶に買うぐらいのもので、それも高いのは嫌い。で、今回は3枚千円とかで安いんで、田中登と深尾道典と市川崑と横溝、乱歩関連やったら何でもええんかというようなものを買ってしまう。ま、こんだけ買っても三千円だし。果たして貼ることがあるのかは不明。