ほぼ足りてまだ欲 その先

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これでもか

総務省の1月の労働力調査

  • 有期契約(有期雇用)労働者1,410万人、これまでの推計では1,200万人

1,410万人の内訳

  • 1年超有期「常雇」の「有期契約」885万人
  • 1カ月以上1年以下の「臨時雇」439万人
  • 1カ月未満の「日雇」86万人
  • 有期契約労働者でありながらずっと仕事がある、という人もいる。4月に施行される改正労働契約法には、何度も契約が更新されて5年を超えた人に、正社員のような無期雇用への変更を求める権利を与えたり、有期であることを理由にした不合理な差別を禁止するルールが盛り込まれた。
  • パートや派遣、契約社員など非正規労働者は1,823万人だった。非正規でも約400万人が無期で働いていることが推定される。

朝日新聞2013年03月01日17時37分)

 これでもまだ竹中平蔵は日本の企業がよりグローバル化の中にあって世界を相手に闘っていくためにはより労働力の流動化を図らなくてはならないといって憚らない。つまり、企業が他国の労働経費に対抗するためには国内労働者は「便利な道具」になれといっているわけだ。

認知症施設

 本日のNHK「報道首都圏」は「漂流 認知症高齢者〜ある精神科病院の4か月〜」ということで常盤台の「飯沼病院」が登場。精神科病院だけれど、かなりの割合で入院患者の中に高齢認知症患者が存在している。
 本来的には大規模施設としては特別養護老人ホームがその機能を果たすべき施設であるけれど、今やこの種の施設は申し込んでも三桁のウェイティング・リストは当たり前。へ手をすれば500人ぐらい平気で待っている。入ることができるのは巧いこと繋がり、まぁ、有り体にいえばコネクションを持っている人だったりする。
 それができないから老人保健施設という本来的には急性期を終えた病院入院患者が自宅療養に移る過渡期を過ごすという目的で作られた施設だったり、身体的には何ら問題がなければ、グループホームという選択肢がある。例外的な存在として見逃されてきたのがこの精神家系病院だったり、はたまた結果としての刑務所だったりするわけだ。
 グループホームといえば先日長崎で火事になって利用者が4人死んだ。すぐさま国土交通大臣が反応した。

 火災のあった施設にスプリンクラーの設置義務がなかったことについて、「現在の基準でいいのか、検討していかなければならない」と指摘したうえで、「関連省庁との間で、法令との関係を整理しながら検討していく」と述べた。(FNNニュース2013/02/12 13:08)

 容易に想像のできる反応である。なんで10人もの年寄りが集中して暮らしている施設にスプリンクラーの設置が必須となっていないのか、怪しからんじゃないか、というわけである。こういう事件があると必ずこういう反応になる。延べ床面積275平方メートル未満の設備には設置義務はない。多分国交大臣は責任逃れのために設置義務を云々するに決まっている。
 そして厚生労働省も「調査」をするんだそうだ。

 全国の認知症グループホームなどでのスプリンクラー設置状況を把握するため、総務省消防庁などと合同で実態調査を開始したと発表した。4月19日までに各自治体に調査結果の報告を求める。(msn産経ニュース2013.2.22 12:44)

 しかし、これは大変に大きな問題になる。スプリンクラー設置を必ず要求するということになると、グループホームの設立に関してまたハードルが高くなることになるわけだ。
 これから先は今まで以上のペースで認知症患者の収容施設の必要性が高まるはずで、それはもう何十年も前から分かりきっている。今のわが国の認知症対策はその場しのぎのどこかでどうにかなって収まってきた。イヤ、正確にいうと収まってはいないけれど、そうであるように振る舞ってきたというべきだろうか。
 それを吸収してきたのがこの種のグループホームであって、精神科病院であり、はたまた刑務所だった。多分社会保障関連への歳出をできるだけ押さえていこうとしている寺・公連立政権が抜本的な前向き対策をこの分野に積極的に適応していこうとするとは思えない。本来的には在宅介護を充実させ(つまり24時間介護を現実的なものとして計画する+認知症となった時の施設入所)、どうしても施設でないと介護しきれないとなった時にはすぐさま収容できるというシステムを構築するようにしないと、誰かしら、コネのある人、ラッキーな人はその介護重要度に関係なく入所してしまって、どうにもならない人をどこかに形式的にあてはめてその場を凌ぐしかなくなってしまう。
 どうしても施設でなくては介護しきれない状態になった時には例えば月5万円程度の個人的小遣いは支給されるものの資産はすべて国家に吸収するシステムくらい作っても良いのではないか。
 そのためには在宅介護のための人的資源をその収入を確保することによって確立する必要がある。
 厚生年金を設定しなくちゃならなくなるからホームヘルパーに週に20時間以上働かせない事業所はいくらもある。これではやる気のある人すらやる気をなくす。こんな施策でこれからの日本を乗り切れるわけがない。
 何が何だといっても、これだけ数十年の時間がありながらほとんどなにも改善できなかった自・公連立政権は怠慢のそしりを逃れられない。しかも、まだ彼らはそれがわかっていない。一体全体今一番必要なことがなんなのかがわかっていない。霞ヶ関は2000年の福祉構造改革が一体何をもたらしたのかよく考えるべきだ。あれから実になんにも変わっちゃいないのだ。
 この場に及んでグループホームスプリンクラーの設置状態を調査するという。
 極論を申し上げると、今スプリンクラーなんてどうでも良い。自宅にいても火事になったら危ない。あちこちで一人暮らしの高齢者が火事でなくなっている。これを無視してもどんどん認知症患者用のグループホームを増やせ。それしか今すぐを乗り切る方法はないぞ。元立教大教授で公益社団法人・長寿社会文化協会理事長の服部万里子先生が「悠長なことをいっている暇はありません。今すぐ入って戴ける施設を」とNHKクローズアップ現代に出てきて強調していたことが忘れられない。

トホホ

厚生労働省が1日朝発表した1月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0.02ポイント上昇の0.85倍だった。改善は3カ月連続で、リーマン・ショック前の2008年8月(0.86倍)以来の高水準になった。飲食店などのサービス業や東日本大震災の復興需要に伴う建設業で新規求人が増加した。(日経新聞2013/3/1 8:30)

 「高水準」なんていうなぁ〜っ!たかだか0.85倍なんだぞ。

末期的症状

 昨日出先から地下鉄に乗って帰ろうと駅構内の売店(あ、今ではキオスクとかいうのかな?)の前にさしかかると、夕刊紙の垂れ紙に「前原、安住、玄葉 維新か」と書いてあった。あぁ、また与太書いてやがんな、どうせフジだろうと思って無視していたら、どうやらあれを書いたのは日刊ゲンダイだったみたいだ。
 もはや民主党は崩壊寸前で、身から出た錆といえばそれまでだけれど、いくら何でもほんの数ヶ月前まで政権を担っていた政党がこんなにボロボロになるなんて世界の歴史をひもといてもそう簡単に見つけることは難しいのではないかという気がする。
 二大政党で切磋琢磨(?)している豪州ではかつてそれまで首相であったジョン・ハワード自身が次の選挙で落選したというドラマティックな展開があった。その後保守党は政権を取り返せてはいないけれど、崩壊して雲散霧消しているわけではない。日本の民主党は今正に雲散霧消してしまいそうだ。というか、確実に雲散霧消するだろう。
 どうしてこんな事が起こったのだろうか。民主党が政権を自公連立政権から奪い取ることに至った理由はなんだったのだろうか。それまでの政権が長期にわたり、国民の価値観からずれて現実から外れたところでやりたい放題だったことに堪忍袋の緒が切れたのではなかったのだろうか。これからは地に足の付いたところで、机上の空論ではなくて、概念的な恐怖に駆られるのではなくて、考えようということではなかったのだろうか。
 特別会計の中に紛れて国民のために本当にならない金の動きがこんなにたくさんあるのをそのままで良いのか、それまでの既得権益を守ることのために使い放題の税金の流れを見直そうじゃないか、本当に必要なところに税をシフトしようじゃないかという思想が本当に実現して欲しいという願いではなかったのか。
 それが消費税がどうのこうのといいだしたあたりから話がこんがらがってきた。そのうちに地震+津波+原発事件が起きてしまってから対応が見えなくなってきた。
 しかし、それまで長きにわたりこの国を国民の眼の届かないところで美味しく料理してきたのは一体誰だったのかという点がこの大惨事の前でものの見事にどこかにすっ飛んでしまった。同じ顔をして前よりももっともっと既得利権集団のための論理を振りかざす集団に、まるで赤子のように絡め取られてしまっているのは一体何事なのか。
 この国の選挙民はいったいどうしちゃったのか。これではスケベ爺にへろへろと投票しているヨーロッパの某国となにも変わらない。あの戦争で人が逃げられない標語で縛り付けた軍事政権が一緒に手を繋いだ理由がわからないでもないと今時思うのは偶然か。
 アベシンゾーに騙されるな。

上関原発に何が起きているのか。

上関原発の漁業補償金受領へ 漁協祝島支店、山口
 山口県上関町の上関原発建設計画をめぐり、反対派が多数を占め、中国電力からの漁業補償金の受け取りを拒否していた県漁協祝島支店が28日、受け取りを決めた。地元関係者への取材で分かった。
 中国電力がこれまでに支出した補償金は約10億8千万円。祝島支店が受け取りを拒んだため法務局に供託されたものを、県漁協本店が代理で受領していた。
 地元関係者によると、祝島支店はこの日、県漁協本店の理事会による招集で会合を開催。出席した組合員約50人による投票の結果、約3分の2が補償金の受領に賛成したという。(2013/03/01 00:17 共同通信

 これは一体何を意味しているのか。祝島といえば永年にわたり、しつこくしつこく反対闘争を地味ながら続けてきた。それが本当の力だと思っていた。ついに背に腹は替えられずに原発建設を今、この時期に受け入れるということになるというのだろうか。

2013年02月28日のツイート