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-絶賛されるべき賃貸住宅たち-

目黒リゾート

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http://www.kkf.co.jp/design/yamate/megu_riso/

【やっぱり春は目黒川(その1)】目黒リゾートは、JR山手線目黒駅から徒歩10分ほどのところにある。都心部で徒歩10分は距離があるように思うかもしれないが、実際に歩いてみると距離を感じさせない。理由として、目黒通りの賑わいと目黒川にある。目黒通りはラーメン激戦区で活気に溢れている。

【やっぱり春は目黒川(その2)】目黒川は、東京都世田谷区、目黒区および品川区を流れ東京湾に注ぐ河川である。河口付近では古くは「品川」といい、湾岸開発が進む以前は河口付近で流れが湾曲していて流れが緩やかであったため、古くは港として使われ、多くの品物の行き交っていた川であったである。

【やっぱり春は目黒川(その3)】目黒川の池尻大橋から目黒駅辺りまで3.8キロの川沿いに約830本のソメイヨシノが植えられている。その途中にある中目黒公園には、さくらのテラスというお花見には最高の場所があり、毎年春になると若いカップルやファミリーが集まり、賑わいは最高潮に達する。

【オフホワイトの外観(その1)】大通りから目黒区民センターの方角に向かう。遠くには公園の緑が真夏の太陽の光を受けて、緑がより鮮明に見える。その下では、子犬をつれて散歩しているカップルが見える。連日35度を超えているが、子犬は元気に駆け回っている。そして、目黒リゾートが見えてきた。

【オフホワイトの外観(その2)】目黒リゾートの外観は、オフホワイトである。デザイナーズ物件はホワイトの外観が多いので、すこしくすんだように見える。しかし、自然界には完全な白は存在しない。オフホワイトが一番自然に近い白なのである。それは、人間と自然を結びつける柔らかな色合いである。

【リゾートへの入り口(その1)】名前負けする建物は意外と多い。設計事務所やオーナーが願いを込めて作った建築物であったとしても、名前と建物の内容のバランスは重要である。デザイナーズ物件であったとしても、残念な物件も数多くある。例えば、近代建築の巨匠が発明したスケールから命名したり。

【リゾートへの入り口(その2)】リゾートと聞いて、イメージするのは非日常の空間である。その空間への入り口は重要である。目黒リゾートのエントランスには、緩やかウッドデッキのスロープ、地面に埋め込んだアッパーライト、漆黒の玉石など、そこにはリゾートを期待させてくれる演出が数多くある。

【オンリーワンへのこだわり】オートロックのドアを抜けてエレベータで3階に向かう。ワンフロアは2つの住戸がある。大規模な集合住宅も悪くはないが、デザイナーズの個性を尊重するのであれば、小規模の集合住宅でオンリーワンの価値を堪能したい。玄関を空けると、ガラスブロックが出迎えてくれる。

キッチンをメインとする空間(その1)】玄関から部屋の中が見えないような間取りとなっている。靴を脱ぎ、リビングに踏み込むとそこには大きな真っ白なカウンターが現れた。全体を白いタイルで包み込んでいる。普通のマンションではありえないほどの大きさである。それは、なんとキッチンであった。


【キッチンをメインとする空間(その2)】キッチンという空間は、メインとなるリビングルームに対して、サブ的な空間として位置づけられる。ほとんどのマンションでは日の当たらない場所から、衣食住の「食」を支えてくれる。しかし、キッチンを構成している小さな備品たちは、デザインの宝庫である。

【キッチンをメインとする空間(その3)】その代表的なものは、ドイツのグローエである。ゲルマン魂が作り上げたその製品は、頑丈でありながらも洗練された革新的なデザインがとても美しい。グローエを備えたキッチンであれば、十分にメインの空間として、表舞台に出たとしても、何も恐いものはない。

【キッチンの上を見上げてみる(その1)】キッチンの上を見上げてみよう。そのほとんどの場合で、レンジフードを目にする。レンジフードは、煙を吸い込むという単純な機能のわりには図体がでかいように感じる。レンジフードの形態をシンプルにすることができれば、キッチンはより魅力的になるはずだ。

【キッチンの上を見上げてみる(その2)】目黒リゾートのレンジフードはかなりこだわっている。まずは吸いこみ口をコの字で囲み、そして、その周りを一段上げることによってスペースを作り出し、そこに間接照明を組み込んでいる。それがライトアップされるとき、キッチンを中心に生活が動き出すのだ。

【縦に広がるベッドルーム(その1)】空間において一番使いやすいカタチは、正方形である。それはカタチに縛られることなく、モノの配置をすることができるからである。しかし、台形のような広がりあるようなカタチはどうだろうか。空間としては面白いがモノの配置が難しく、上級者向けの空間である。

【縦に広がるベッドルーム(その2)】平面的に広がりのある空間ではなく、断面的に広がりのある空間はどうだろうか。ちょっとイメージしにくいかもしれない。それならば目黒リゾートのこの部屋を体験してもらいたい。断面的な広がりは、モノの配置を束縛することなく、心地よい空間を提供してくれる。

【デザイナーズの絶対的な領域(その1)】デザイナーズ物件の最大の魅力は、水周りにあるといっても過言ではない。各居室は住む人の家具や家電を置くことを想定する必要があるので、いくらデザイナーズといえでも居室を過度に作りこむことはできない。そのうっぷんを晴らすかごとく水周りを作りこむ。

【デザイナーズの絶対的な領域(その2)】作りこまれた水周りは美しい。確かにユニットバスは精度も良く見た目もとても美しい。しかし、現場の職人で作り込まれる水周りは、現場でしか生まれない苦心の納まりがある。確かにキレイに納まっていないかもしれないが、その職人魂に敬意を表したい。(完)

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GRAVA

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【ホームランを見たければ東京ドームへ行こう(その1)】GRAVAは、春日駅と後楽園駅が近いので、都営大江戸線、都営三田線、東京メトロ丸ノ内線、東京メトロ南北線の4路線が使える。通勤には便利な場所にある。そして、近所には東京ドームシティや小石川後楽園があり休日の遊びには事欠かない。

【ホームランを見たければ東京ドームへ行こう(その2)】夏真っ盛りの今日この頃。ビールを飲んでスカッとした気分になりたいなら、やっぱりプロ野球だ。特に東京ドームはホームランが出やすい。ホームランの出やすさの理由として、左中間・右中間の膨らみが小さく110mしかないことが挙げられる。

【ホームランを見たければ東京ドームへ行こう(その3)】他には屋内球場で湿度が低いために打球が伸びやすい。また、気圧で屋根を膨らませている球場なので気圧によりホームランが出やすいことが指摘されるが、物理的に高気圧で打球が伸びないことはあっても伸びることはないので、これは誤りである。

【住宅街のブラックホール(その1)】GRAVAの場所はちょっと分かりにくい。春日駅を下りて、東京大学の方向に向かう大通りを進んでいき、途中の階段をのぼる。階段を上った先には住宅街があり、その先にGRAVAがあるはずだ。遠めで見てもGRAVAが見当も付かない。それには理由があった。

【住宅街のブラックホール(その2)】なぜならば、GRAVAの通りに面する部分が真っ黒に塗装されているからである。建物の影のように見えていたのである。東京の建築は周囲の街並みと調和することが、どうも苦手のようである。個性を主張するよりも、黒子となることも一つの選択肢としてありえる。

【廃墟が興奮させるエントランス(その1)】都心では容積率を稼ぐために、地下を有効的に活用する。GRAVAも地下を利用しているようだ。エントランスもその影響を受けているので、グランドレベルから2〜3段下がったところにある。でも、ただの綺麗なエントランスではない。廃墟的な要素がある。

【廃墟が興奮させるエントランス(その2)】廃墟が美しいと感じるのは、日本人独特な感覚である。このエントランスには、錆を発生させた鉄板に「GRAVA」というプレートがついている。その錆は、人為的に行われているが、均一ではなく自然的な美しさがある。エントランスをより魅力的にしている。

【玄関からの風景】オートロックのドアをくぐり階段で3階に向かう。共用廊下は片廊下となっており、開放的だ。玄関ドアを開けると、遠くには大きな窓とスチールフレームの階段、近くにはステンレスキッチンが見える。本来であればごちゃごちゃになりがちな玄関からの風景に空間としての一体感がある。

【作業スペースが十分なキッチン】単身者だとキッチンの大きさにはこだわらない人も多いが、料理好きな男性や女性にはキッチンの大きさは重要だ。それは見た目のかっこよさではなく、どれだけ使いやすいかということだ。使いやすさの第一条件は、作業エリアが確保されていることだ。この部屋は合格だ。

【塗装の内側で起こっていること(その1)】壁は打ち放しコンクリートの面と塗装で仕上げた面がある。違いは、断熱しているかどうかである。外部に面する部分は内断熱が施されている。内部同士の壁は温度差があまりないので結露しにくいことから、断熱処理をせずに打ち放しコンクリートとなっている。

【塗装の内側で起こっていること(その2)】内断熱とは、打ち放しコンクリートに発砲ウレタンを吹き付けて断熱面を作っている。そこに接着剤をつけた石膏ボードで覆い隠し、ボード面を下地処理し塗装で平滑に仕上げているのである。なんでもない白い壁が、部屋の快適な環境を作り出しているのである。

【吹き抜けを突き抜ける十字架】部屋の窓には、ブラインドが設置してある。そのブラインドを開放してみる。そこには大きな窓が隠れているのである。吹き抜けを利用した大きな窓は、密集している住宅街であっても太陽の光を燦燦と降り注ぐ。窓の縦桟と横桟が十字架のように神々しく見えてくるのである。

【軽やかなる階段(その1)】メゾネットタイプの部屋は、階段が必要となってくる。螺旋階段は魅力的であるが、場所をとるので小さな空間で取り入れようとするならば、より空間が狭く感じてしまう。階段をどれだけコンパクトにつくるのかというのは、非常に重要な問題である。それは空間の質にも関る。


【軽やかなる階段(その2)】この部屋の階段は、軽やかである。極限のスチールのメンバーによって構成されており、さらに踏面もエキスパンドメタルを使用しているので、見た目も軽やかである。さらに階段の勾配も通常よりも急勾配である。その形状が、かえって軽やかな動作を誘惑しているようである。

【五線譜のような手すり(その1)】階段とセットなのは、手すりである。安全面や強度面を考慮すると、手すりはどうしても無骨になってしまう。絶対的に安全でがっちりとした手すりは、空間のハーモニーを壊してしまう。デザイナーズ物件は、空間のハーモニーを重視しているので余分な要素は排除する。

【五線譜のような手すり(その2)】余分な要素を排除した空間は、まさしく完成されたクラシックのようなハーモニーを生み出す。手すりも必要最低限までスチールのメンバーを絞り込むことによって、この部屋のように五線譜のような手すりとなる。そこには、空間のハーモニーの音符が並んでいるようだ。

【ドキドキする浴室(その1)】個人的な見解だが、浴室は既製品のユニットバスがいい。それは施工技術によるクオリティのばらつきがないからである。しかし、デザイナーズ物件だと既製品のユニットバスは邪道で現場造作の浴室は王道であるという風潮がある。でも、昔は浴室はすべて現場造作であった。

【ドキドキする浴室(その2)】なぜ、デザイナーズ物件の浴室を懸念するのか。それは個性的な空間にするために浴室に無理が生じ、それを施工技術でカバーできないことが多い。水は人間に必要不可欠だが、処理を間違うと人間の住まいを蝕む。だから、現場造作の浴室を見るとドキドキしてしまう。(完)

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イプセ新宿若松町

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http://www.kkf.co.jp/g/morimoto/ipse_shinwaka/

【若松河田はコンビ名ではありません(その1)】イプセ新宿若松町は、都営大江戸線「若松河田」駅から徒歩5分ほどところにある。若松河田というのは、品川庄司や増田岡田のように芸人のコンビ名とはまったく関係がない。実は、由緒正しき大名屋敷があったところなのである。その名残がいくつかある。

【若松河田はコンビ名ではありません(その2)】かつて数々の大名屋敷があったという若松町と河田町の周辺は、明治以降、武家の解体によって畑になった土地を利用し、小規模な住宅街を形成してきた。山の手の地形を反映した坂も現存し、団子坂、夏目坂、銀何坂など、東京ならではの風情を残している。

【若松河田はコンビ名ではありません(その3)】また若松河田のランドマークといえば、広大な敷地の「東京女子医大」と箱根山の絶景が自慢の「都営戸山ハイツアパート」である。また、地域のボランティアも参加してお屋敷をリニューアルした「小笠原伯爵邸」が加わり、注目されるエリアとなってきた。

阿弥陀籤的な外観(その1)】若松河田駅を降りて、しばらく歩いていくと奇妙な地面が見えてくる。その地面は赤・青・白の幾何学的な模様で通常の道路では見ることができない。もし、これが道路にあったらドライバーはどのように運転すればよいか、悩んでしまうであろう。その地面の先に建物がある。

【阿弥陀籤的な外観(その2)】イプセ新宿若松町の外観は派手だ。オフィスビルのクールな感じや住居の落ち着いた佇まいもない。それは阿弥陀籤的な外観である。阿弥陀籤は阿弥陀如来に由来する。昔は放射線状に線を書いて、阿弥陀仏の後光に似ていたために名付けられた。この建物も後光を放っている。

枯山水とガラス(その1)】エントランスに向かう。エントランスの通路も真っ直ぐではなく少し蛇行している。エントランスホールには白い玉石と黒い玉石による坪庭が表現されている。本来であれば、植栽などを取り込んで緑豊かにするところであるが、ここでは枯山水のように抽象的な表現をしている。

【枯山水とガラス(その2)】枯山水とは、池や遣水などの水を用いずに石や砂などにより山水の風景を表現する庭園様式であり、禅の思想をかたちに表した抽象美術でもある。そして、エントランスホールの壁に施されたガラスのタイルの透明性は、天空を表現しているようだ。ここには、天と地が存在する。

【飛び石的な共用廊下】エレベータで上階にあがる。エレベータのドアが開く。共用廊下は間接照明が多用することによって通路幅の狭さを感じさせない。そして、床のカーペットのところどころには人工大理石が用いられており、日本の邸宅にあるような門から玄関ドアまでの飛び石のような高級感を感じる。

キッチンと洗濯機の相性(その1)】キッチンには様々な家電製品が必要だ。冷蔵庫、電子レンジ、オーブントースター、炊飯器など、いわゆる白物家電だ。名前の由来は見た目の色が白かったことからだといわれる。この色は清潔感が演出しやすかったからとも言われているが、最近は白ではなく黒もある。

【キッチンと洗濯機の相性(その2)】白物家電の中で高度経済成長期に三種の神器とも呼ばれたのが洗濯機である。洗濯機は洗面所に近い所に設置されることが多いが、最近はキッチンと一緒になっている。この部屋ではキッチンの調理台の下に洗濯機がある。白物家電なのでキッチンとの相性もバッチリだ。

【クローゼットと寝室の相性(その1)】クローゼットは当然ながら寝室とセットになっている。しかしクローゼットは使い勝手のよい空間である。寝室の鉄筋コンクリートの柱が出っ張ってしまった時に、その部分を隠すようにクローゼットにしてしまえばよい。この傾向はウォークインクローゼットに多い。

【クローゼットと寝室の相性(その2)】しかし、イプセ新宿若松町のこの部屋は、寝室にクローゼットがない。ウォークインクローゼットが玄関ドアの脇にある。シューズクローゼットとは別にある。寝室に無駄な空間がないならば、ウォークインクローゼットは寝室の近くになくても機能することができる。

【清潔感が問われるモザイクタイル】最近では壁材の性能が向上して、水周りであっても使用できる石膏ボードがあり安価なので、タイルではなく石膏ボードを使うケースが増えている。しかし、水周りといえばタイルである。特にモザイクタイルは目地が多いので清潔にしないと、カビが生えるので要注意だ。

【こんな遊び心もありです】トイレと寝室を遮るものが壁ではなく、ガラスとなっているのは驚きである。ガラスといっても透明ガラスではなくすりガラスになっているので、見えるわけではない。さらに透明度がかなり低いので、人影も分からない。特に意図があるものではなく、デザイナーの遊び心である。

【収納の微分と積分(その1)】ウォークインクローゼットは、収納というよりは大きな空間である。結局のところ、ウォークインクローゼットの中で、もう一度モノを組み上げていかなければいけない。そのためには、空間を小分けする道具が必要となってくる。まずは空間を微分していかなければいけない。

【収納の微分と積分(その2)】収納できる場所が、すでに微分されていたら魅力的だ。なぜならば自分で小分けする労力が必要ないからだ。この部屋では、至る所に微分化された収納が散りばめられている。そして、そこに積分していくのは楽しい。自分を表現する空間となる。あくまでも自己満足の世界だ。

【間接照明の効果】寝室には間接照明が施されている。間接照明とは、光源からの直接光を使用せず、壁面・天井面などで反射させてから作業面を照らすものである。効率は悪くなるが、照度を均一にしやすく、雰囲気のある照明が可能となる。この部屋のように天井が高い場合でないと、おすすめはできない。

【バルコニーのウッドデッキの是非】バルコニーのウッドデッキは維持管理が大変なので大半の賃貸にはない。しかし、小さなバルコニーでもウッドデッキを施すことでグレードが上がり、入居者の気分も変わる。最近では腐らないウッドデッキもある。選ばれるデザイナーズにはウッドデッキは必須だ。(完)

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ロジェ二番町

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【麹町今昔物語(その1)】ロジェ二番町は、オフィスビルが立ち並ぶ麹町駅から徒歩2分のところにある。麹町は、古くは糀村(こうじむら)と呼ばれたとも言われている。徳川家康の江戸城入場後に城の西側の半蔵門から西へ延びる甲州道中(甲州街道)沿いに町人町が形成されるようになったそうである。

【麹町今昔物語(その2)】町名の由来は、町内に「小路(こうじ)」が多かったためという説、幕府の麹御用を勤めた麹屋三四郎が住んでいたためという説もあるが、府中の国府を往来する国府街道の江戸における出入口であったため、つまりは、国府路(こうじ)の町であったという説が有力であるようだ。

【オフィスビルに溶け込む外観】半蔵門の駅からゆっくりと歩いていく。周りオフィスビルで、1階にはサラリーマン相手の飲食店が入っている。平日だと賑わっている通りも、休日ともなると人通りは疎らである。デザイナーズ物件は遠めで見ても目立つ存在だが、ロジェ二番町はオフィスビルに埋れている。

【何かサプライズを期待したいエントランス(その1)】前面の通りから少しセットバックしているので外観を全体で見ることができる。オフィスビルに埋れているようだが、ところどころにデザイナーズの魅力が滲み出ているような感じがする。心をときめかして、エントランスのオートロックを潜り抜ける。

【何かサプライズを期待したいエントランス(その2)】エントランスホールは暖色的なライトが自分のホームに帰ってきたという気持ちにさせてくれる。間接照明により緑のラインが縦横にデザインされている。それはまさしくプレゼントのリボンのようだ。きっとお部屋にはサプライズが待っているはずだ。

【ゆったりしたアルコーブ】エントランスホールの床は、300角の大きなタイルではなくモザイクタイルを敷き詰めている。ピンヒールだとつまずいてしまいそうだが、逆に施工のクオリティの高さが分かる。エレベータで8階に向かう。共用廊下も広い。各部屋にはゆったりとしてアルコーブが設けている。

【内開きの玄関ドアが実現した訳(その1)】アルコーブを設けているメリットは、単調になりがちな玄関に植栽などを設けて、住民の個性を演出できるようにすためである。だから、アルコーブを最大限に有効的に利用するためには、玄関ドアは内開きにしたほうが良い。しかし、内開きはデメリットが多い。

【内開きの玄関ドアが実現した訳(その2)】内開きのデメリットは、専有部分の靴脱ぎ部分に靴を出して置けなくなる。なぜなら、靴がドアに当たってしまうからだ。ロジェ二番町のこの部屋は、この問題を心地よく難なくクリアにする。それは靴脱ぎとなる場所を土間として新たな空間を創造したのである。


【土間がDOMAに変わるとき(その1)】土間という言葉は、日本の住居の文化を凝縮したような言葉である。昔の日本の住居は決まった部屋はなかった。ちゃぶ台を置けば、そこが食堂となり、布団を敷けば、そこが寝室となり、ローテーブルを置けば、そこが客室となる。フレキシブルな空間なのである。

【土間がDOMAに変わるとき(その2)】日本の空間と欧米の空間との大きな違いのひとつに靴脱ぎがある。靴脱ぎは日本独自の文化であり、逆に靴を脱がないで良い空間は玄関だけである。しかし、日本は土間という文化を作り上げて、玄関を拡張することに成功した。そして、今、土間はDOMAとなる。

【土間がDOMAに変わるとき(その3)】土間というのは床がその名の通り、土を固めたものである。衛生的な観点からして現代の住居そして現代のデザイナーズマンションにはフィットしない。しかし、ロジェ二番町のように床石を敷き詰めることによって衛生面も確保され、DOMAとして生まれ変わる。

【石が土間に見えるために】床石を敷き詰める上で、目地を取るようにすると本来の土間の持つ一体感がなくなる。そこで、ロジェ二番町のこの部屋では目地を設けていない。これは敷き詰める職人の技術と正方形である床石の精度が重要となる。日本人だからこそできる技であり、世界に誇れる技なのである。

【漆のようなトップコート】土間となる部分を広く取っているが、居室となる部分にはフローリングとなっている。それも無垢のフローリングだ。無垢のフローリングには、艶無のワックスの方が素材を生かす。しかし、この部屋の艶有のワックスも平滑に塗られていると、日本伝統の漆のような美しさがある。

【収納を美しく見せる壁(その1)】玄関から一番奥に部屋がある。その部屋には当然ながら収納スペースがある。収納スペースをどのように見せるのか、ということはデザイナーズ物件でもあまり問題とならない。なぜならば、収納もないような空間がデザイナーズ物件の象徴のように言われた時代があった。

【収納を美しく見せる壁(その2)】しかし収納がないデザイナーズ物件は見向きもされなくなった。そこで可動式の収納を置くようにした。その程度では離れた心は戻ってこない。この部屋は収納の見え方に特にこだわっている。それは収納ではない壁にも収納の扉がついているような一体感を演出している。

【2 つのエアコン】この部屋には、3台のエアコンが設置されている。リビングと土間で一体となっている寝室には、ビルトインエアコンが設置され、空間がスッキリとしている。完全に個室となるもうひとつの寝室には壁掛けエアコンとなっているが、ダイキンのUXシリーズなのでシンプルでこれも美しい。

東京の中心でバルコニーを考える(その1)】デザイナーズであるからバルコニーはないという物件が許せない。さらに、浴室乾燥機があるからバルコニーはないという身勝手な物件は嫌いだ。確かに見晴らしが良くないお部屋でバルコニーは必要ないかもしれない。しかし、バルコニーは大切な空間である。

【東京の中心でバルコニーを考える(その2)】ロジェ二番町はバルコニーは広くない。浴室乾燥機があるのでバルコニーで洗濯物を干すこともないだろう。しかしバルコニーに移動可能な木製のスリットパネルがある。それは室内に光の変化をもたらせてくれる。東京の中心でも太陽だけは変わらない。(完)

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アーデン芝公園

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【御成門はもうありません】アーデン芝公園は、芝公園という名称がついているが、実は最寄り駅は都営三田線の御成門駅となっている。東京タワーに近いということ「東京タワー前」という副称がついている。御成門は、すでにない。御成門交差点の付近に同名の門があり、かつての増上寺域の北端にあたる。

【芝公園で十分です(その1)】増上寺があるところは、現在芝公園として住民に親しまれている。御成門周辺はオフィスビルが多いところなので、食品などを多く取り揃える総合スーパーなどはない。しかし、仕事で忙しい人にとってはスーパーよりも2コンビニがあればいい。それよりも芝公園は魅力的だ。

【芝公園で十分です(その2)】その芝公園内にホテル、学校、図書館などの施設が点在するほか、グラウンドや散策路などがあり広大な公園施設となっている。東端には港区役所、西端には東京タワーが建ち、特に東京タワーを正面に望む東側の散策路はデートスポットとして、ロケ撮影地として親しまれる。

【緑とウッドデッキが生み出す別世界(その1)】御成門駅から大通りを一歩入ったところにアーデン芝公園は現れる。都心のデザイナーズマンションはオフィスビルという名のコンクリートジャングルに埋もれてしまい、探すのも一苦労することがある。しかし、アーデン芝公園はすぐに発見するできたのだ。

【緑とウッドデッキが生み出す別世界(その2)】オフィスビルが集積している地域は、建蔽率80%以上である。敷地いっぱいに建物を建てることができる。それが許された地域なのである。さらに、アーデン芝公園は角地なので緩和条件により建蔽率100%も可能な敷地だと思うが、実際は違うのである。

【緑とウッドデッキが生み出す別世界(その3)】建物を道路境界線からセットバックすることによって空地を生み出している。そこには植栽を設けている。さらに、通路にはウッドデッキを敷いている。植栽も落葉樹ではなく常用樹を植えているので、打ち放しコンクリートの外観とのコントラストが美しい。


【宙に浮くステンレスボックス】アスファルトとは違うウッドデッキの心地よい感触が足裏から伝わる。ガラスのオートロックドアを抜けると左手に宙に浮くステンレスボックスが見える。これは集合ポストだ。普通なら日陰に追いやれる集合ポストも、このようにデザインされるとモダンなオブジェのようだ。

【こんなところにリビングルーム】エントランスホールはいろいろと手を加えて演出していること多い。そのほとんどがローテーブルとソファーが置いてある。このアーデン芝公園では、ちょっとニュアンスが違う。それは、エントランスホールの一部にフローリングを貼って、リビングのように仕立てている。

【国境の長いトンネルを抜けると雪国であった】エレベータで9階まで向かう。エレベータのドアを開くと、そこには真っ白な銀世界が広がっている。雪が積もっているわけではない。天井・壁が白塗装、床が白タイル。中廊下となっているが、白で統一されていることによって、まったく暗さを感じないのだ。

【ドアノブからかんじる期待感】玄関ドアの前に立ってドアノブに手をかける。いつもと感触が違う。よく見るとドアノブの形がタバコぐらいの大きさで、仕上げがステンレスのヘアラインとなっている。ドアノブなんて気にしないけど、その先の空間で何かが起こっていることを期待させてくれるドアノブだ。

【トイレ・トランスフォーマー(その1)】玄関ドアを開けると、共用廊下の延長戦でベッドルームまで白タイルが繋がっている。ベッドルームまでの通路にはいくつも扉がある。その扉は通常よりも大きい。そして、見たことないほどの大きさの長蝶番がついている。その扉をあけると、なんとトイレがある。

【トイレ・トランスフォーマー(その2)】トレイが目の前にあるのだが、その空間が狭い。しかし、扉に大きな長蝶番についていた理由がわかる。それは、観音開きとなっている扉を目いっぱいあけると、通路を完全に遮ることができ、新たなトイレの空間が生まれるのである。まさに、トランフォーマーだ。

【飾らないカウンターキッチン】ベッドルームとキッチンが同じ空間にある、いわゆるスタジオタイプである。しかし、アイランドキッチンなので、空間におけるキッチンの主張は強いと平面図では思うかもしれない。しかし、白で統一された無駄のないデザインのキッチンは、その存在を飾らず、主張しない。

【計算しつくされたビルト・イン・エアコン】エアコンは、天井埋め込みのビルト・イン・エアコンである。空間がスッキリするので用いられるが、ここでは理由がすこし違うようだ。アイランドキッチンのレンジフードのダクトを隠すためのスペースにエアコンの埋め込んでいる。巧みに計算されているのだ。

【フローリングと壁の取り合いに職人技あり(その1)】建築の納まりでは、悩ましい問題が山積だ。仕上げは、目に見えるところであるので、その悩ましい問題をクリアにする必要がある。よく現場で議論される仕上げの納まりのひとつに、無垢フローリングと打ち放しコンクリートの壁との取り合いである。

【フローリングと壁の取り合いに職人技あり(その2)】なぜ、問題となるのかというと、無垢フローリングは生きているので伸縮する。しかし、打ち放しコンクリートの壁は固いので、取り合い部分で伸縮に対応できず、伸長時に床が盛り上がってしまう。床と壁にクリアランスを取ると見た目が美しくない。

【フローリングと壁の取り合いに職人技あり(その3)】アーデン芝公園では、ある方法を採用している。それは打ち放しコンクリートの壁に切り込みを設けて、フローリングの伸縮に対応できるようにしている。これは躯体を操る職人と仕上げを操る職人の融合技をもって行うことができる職人技の極致である。

【全体と部分】建築には「全体」と「部分」がある。「全体」とは、空間が醸し出し空気で感じる人によって変化するものだ。しかし「部分」とは、建築を作るための職人技の積み重ねであり不変である。そして、時として気付かれないことである。アーデン芝公園は「全体」と「部分」が融合している。(完)

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