後期高齢者医療制度、容認できず

 中国新聞山口県医師会が「改善」決議 後期高齢者医療制度、より。

山口県医師会が「改善」決議 後期高齢者医療制度 '08/4/26
▽近く国などに文書で要望


 山口県医師会は二十四日、代議員会を開き、後期高齢者医療制度長寿医療制度)について全会一致で制度の改善を求める決議をした。来週中に、厚生労働省日本医師会などに文書で要望する。


 県内の二十医師会から代議員六十人が出席。後期高齢者医療制度について(1)財政負担について国民の理解が得られていない(2)患者の医療機関へのフリーアクセス権を阻害する(3)年齢による医療格差が生じる?を理由に容認できないと決議した。


 特にフリーアクセス権を阻害するとしている外来主治医制度については、県医師会が慎重な対応を求める文書を各医師会に送付していた。日本医師会からの要請で調査したところ、この要請に反対の医師会はなかった。


 外来主治医制度は、複数の病気を抱える可能性が高い七十五歳以上の高齢患者を、主治医一人が総合的に診療する仕組みで、患者の権利を阻害するなどとして、慎重論が大勢を占めている。(石井雄一)


 新聞記事を読んでいると、見出しと内容に齟齬がある。「改善」決議では、元の制度をある程度認めていることになる。本文をみると、「容認できないと決議した」となっている。むしろ、後期高齢者医療制度の中止・撤回を求めているとも読みとれる。

「あまりにも無責任だ」とあなたには言われたくない

 読売新聞、衆院山口2区補選27日投開票、与野党幹部が最後の舌戦、より。

衆院山口2区補選27日投開票、与野党幹部が最後の舌戦


 27日の衆院山口2区補欠選挙の投開票を前に、与野党幹部が26日、現地に入り、最後の舌戦を繰り広げた。


 自民党の安倍前首相は岩国市での街頭演説で、後期高齢者医療制度長寿医療制度)について、「新たに増えていく医療費をどう負担していくか、(負担の仕組みを決めるのは)政治の責任だ。民主党は制度を批判しているが、あまりにも無責任だ」と訴えた。


 公明党の北側幹事長は、ガソリン税暫定税率復活に理解を求め、「民主党は(暫定税率の失効で)地方自治体、地方経済を混乱させることを平気で行っている」と批判した。


 自民党は2005年衆院選で初当選した小泉チルドレン杉村太蔵衆院議員らも投入し、後期高齢者医療制度の利点を強調した。


 一方、民主党菅代表代行は光市での街頭演説で、同制度について、「参院に改めて制度の廃止法案を出す。この選挙で勝たせてもらえれば、必ず参院で通して、与党も反対できないようにしたい」と訴えた。


 また、「道路政策のあり方は、(ガソリンの)値段を下げた中で議論するのが当たり前ではないか」と述べ、暫定税率復活に反対する考えを強調した。


(2008年4月26日21時38分 読売新聞)


 首相の座を途中で放り出した人間が、選挙応援演説で「あまりにも無責任だ」と述べる資格があるのだろうか。自らがまず議員辞職をし、選挙民の審判を問うのが筋ではないだろうか。
 「参院に改めて制度の廃止法案を出す。この選挙で勝たせてもらえれば、必ず参院で通して、与党も反対できないようにしたい」という民主党の主張に関し、有言実行を期待したい。

後期高齢者医療制度の破綻と後期高齢者特定入院料という時限爆弾

 後期高齢者医療制度の給付体系は、分かりにくい。独自の診療報酬体系があるわけではなく、診療報酬の中にさりげなく紛れこまされている。今回、診療報酬提供サービスというサイトでの検索を行い、「後期高齢者」と名称がついた診療料を収集してみた(後期高齢者医療制度の給付体系参照)。


 2008年度診療報酬体系で新たに導入された項目は、次のとおりである。

第1章 基本診療料

第2章 特掲診療料
 第1部 医学管理等


 一方、以前「老人〜」と表現されていたものが、「後期高齢者〜」と変更されたものは、次のとおりである。

第1章 基本診療料

第2章 特掲診療料
 第1部 医学管理等

  • B011-03 後期高齢者薬剤情報提供料(手帳に記載する場合) 15点

 第2部 在宅医療
 在宅患者訪問看護・指導料における加算

  • C005-00 後期高齢者終末期相談支援加算(在宅患者) 200点
  • C005-01 後期高齢者終末期相談支援加算(居住系施設入居者等) 200点

 第9部 処置


【新規導入群の特徴】
(1)外来診療への低額包括性の導入
 B016-00 後期高齢者診療料(600点)の要点をまとめた。

[算定要件]

  • 保険医療機関である診療所又は当該病院を中心とした半径4キロメートル以内に診療所が存在しない病院において算定できることとする。
  • 服薬、運動、栄養、日常生活等に関する総合的な治療管理に係る診療計画書を交付した月から算定するものとする。交付の頻度は、3月に1回程度を目途とするが、病状が安定し、診療計画に変更の必要がないと認められる患者については、最長で1年間の診療計画書を作成しても差し支えない。なお、交付した当該診療計画書の写しは診療録に添付しておくものとする。


  • 患者に対して診療計画書により丁寧な説明を行い、患者の同意を得て、当該診療計画書を交付し、当該診療計画に基づき、必要な指導を行った場合に月1回を限度として算定する。なお、行った指導内容の要点を診療録に記載するとともに、文書を用いて患者に提供するとともに診療録に記載すること。


  • 当該患者に対して行われた医学管理等、検査、画像診断、処置は後期高齢者診療料に含まれる。ただし、病状の急性増悪時に実施した検査、画像診断及び処置のうち、550点以上の項目については別途算定できるが、理由等を診療明細書の摘要欄に記載すること。
  • 患者の主病と認められる慢性疾患の診療を行う1保険医療機関のみにおいて算定する。
  • 当該診療所(又は医療機関)に次のそれぞれ内容を含めた研修を受けた常勤の医師がいること。
    • 研修事項:高齢者の心身の特性等に関する講義を中心とした研修。診療計画の策定や高齢者の機能評価の方法に係る研修。
  • 毎回の診療の際に服薬状況等について確認するとともに、院内処方を行う場合には、経時的に薬剤服用歴が管理できるような手帳等に薬剤名を記載する。


[対象疾患]


(参考 特定疾患療養指導管理料に含まれ、後期高齢者診療料に含まれない代表的疾患は次のとおり。: 悪性新生物、処置後甲状腺機能低下症、虚血性心疾患、肺気腫、胃炎及び十二指腸炎、肝疾患、慢性ウィルス性肝炎、その他の慢性膵炎)