食文化を眺める 8 話は、水原駅の観光案内所から盆唐線ホームに向かうときに戻る。そもそもは昼飯を食べようと地下鉄1号線に乗ったのだが、まだ飯にありつけず空腹を抱えたまま歩いている。パンでも買うか? 場合によればパンでもいい。韓国のパンが食べられるのだから、それはそれでおもしろい。 ショッピングセンターはあるらしいが、時間がかかるのはまずい。駅の通路を歩いていると、日本なら立ち食いソバの店のような、カウンターだけの店を見つけた。「ここなら、早くて安い飯にありつけそうだ」。“김밥 4500”と書いた紙が壁に貼ってある。このくらいのハングルならすぐに読める。キムパップだ。チャジャンミョンがキムパップ…