人と会話する時は、ほとんどつまらない内容に終始する。 「今日は晴れた」「曇ってる」「腰が痛くて」…どうでもいい。 でも、顔見知りには潤滑油として仕方なくしゃべるか…。 19世紀のフランスでは、貴族がサロンで活躍することに精魂を傾けた。 サロンで交わされた会話は、研ぎ澄まされたエスプリと諧謔に彩られた。 生半可な知性では気の利いた会話はできず、サロンに招待されることもなかった。 ピアニストとして今も王者であるフランツ=リストも、サロンでデビューした。 当時はピアノコンクールのようなものはなかったから、そこで認められるしかない。 もちろん、神のような彼のピアノ演奏にも、やんごとなき女性たちは夢中に…