グローバルパーソン

福田復彦 以前にもエチケットについて取り上げましたが、ここではメキシコ人に特有なエチケットについて述べます。メキシコも含めて欧米社会では日本ほど礼節がないように言われますが、 かなり厳しい無言の礼節が存在します。 にこやか：他人に不愉快な印象を与えないことがエチケットの第一です。常ににこやかで陽気で明るいことです。 紳士・淑女：日本人はあまり自覚もせず、社会でも言われませんが、メキシコの場合「紳士（Caballero“であれ」「淑女”Dama“であれ」という道徳基準を家庭で教育されます。また本人もそのことを自覚し、紳士であろうとし、また淑女であろうとします。すでに述べた如く、社会では女性第一主…

福田復彦 マチズモが生きていた時代の家族とは。 父権主義・夫唱婦随：メキシコの古い家族制度は、父親の絶対的権威に家族が従うことで成り立っていました。妻も子供たちも父親には常に服従を強いられました。独身の娘は父親に従い、結婚すれば夫に従い、未亡人になれば息子に従うのが一般的でした。 家族第一主義：父権主義であることは、24時間夫は家族を守らねばならず、その点からも家族が最も大切で仕事は二の次でした。仕事が終われば自宅に直帰することが普通でした。子供には厳しくても愛情を注ぎ養育しました。特に娘たちの処女性を結婚まで守ることから一人での外出は許さず、常に家族が同伴しました。父親が公認する恋人ができて…

福田復彦 グローバルパーソンの大晦日はドンチャン騒ぎです。 アメリカなどでは、クリスマスが開けるのを待って1月1日ころまで旅行に出かける人も多くいます。しかし大晦日の夜は若者たちを中心に夜に入ると町中が浮足立ってきます。どこのレストランもバーも満員で音楽ががなり立てるように演奏され、アルコールの匂いが立ち込め、あちこちでダンスが始まり、まさに無礼講です。街を練り歩く車もクラクションを立て続けに鳴らし、各所で交通渋滞が発生するほどです。 12時近くになると興奮度はますます高まり、テレビなどに合わせて、皆で一斉にカウントダウンが始まります。12時きっかりとなると、見知らぬ人同士でも新年のあいさつを…

福田復彦 グローバルパーソンの歴史的グローバリズムの中国人鄭和船長の超大規模船団は現代人の想像を「白髪三千丈」的に超越したものです。 15世紀のはじめ、明の鄭和（ていわ：1371〜1434頃）は、中国南部の港である泉州を当時の世界最大の船隊を率いて、東南アジアからアフリカ東海岸にまで航海しました。航海数は、1405年から1433年までの29年間に７回、訪問国は30数ヶ国。バスコ・ダ・ガマがインドに到達した1498年よりも60年も早くです。 鄭和の大船団の構成は、各航海とも2万7千人以上の乗員を乗せた最大62隻から成っており、後日発掘された最大の船は船長150メートル、船幅62メートルもあり、当…

福田復彦 グローバルパーソンの歴史的グローバリズム、ローマ街道とは何か。 地図も存在しなかったであろう2000年以上前のローマ人たちはローマ帝国いう巨大国家を統合し、ローマに結び付けていたのはローマ街道だと思います。 ローマ時代にすべての道はローマに通ず、と言われるほどローマの街道は発達していました。本格的なローマ街道は紀元前321年のアッピア街道建設が始まりと言われています。それ以前にも塩の道のようなものが存在していました。ローマ街道が必要になった主な理由は軍隊の迅速な移動のためでした。ローマ最盛期には約32万キロあったと言われます。紀元1世紀ころには総延長15万キロメートルが建設され、その…

福田復彦 グローバルパーソンの女性の扱いは安全第一です。 一般的に、物事にきちんとしている女性ならばデートの時間を厳守します。車での送迎であれば原則的に女性の自宅まで迎えに行きます。女性が自宅から出てきたら、前回述べたような軽いハグを交わして挨拶します。車のドアーを開けて着席を助けます。特にポーツカータイプですと、座席が低く乗りにくくスカートの裾が乱れがちになりますのでスマートな手助けが必要です。またワンボックスカーは床が高く小柄な女性にはサポートが必要な時もあります。きちんと着席したことを確認し「ドアーを閉めていいですか？」と必ず聞き、”Ok”との回答を得てから静かに閉めます。また女性が運転…

福田復彦 グローバルパーソンは重要な話し合いの後は必ず打合せ覚えを作成します。 日本人の間では重要な会議の後でその結果を打合せ覚え（これのタイトルはなんでもかまいません。例えば、備忘録）などの書類として関係者で署名して残すという習慣はあまりないようです。「ではそういうことで、よろしくお願いします。」で終わってしまいます。日本人の中に相互共通意識があるのか信頼関係があるのか、なんとなく「阿吽の呼吸」で仕事が進む場合がよくあります。相手側にこのような書類にサインを求めると、「なんだ、信用しないのか」と不機嫌になることもあります。しかし自分たちの覚えとして作成し、後日両者間に齟齬が出た場合に、相手側…