秋になった。でもどのタイミングで秋になったのかはやっぱりわからない。 北大阪にある学校(中学校と高校は同じところに通った)にいた10代の頃、秋を感じる暇などなかった。気づいたら桜の葉が紅色に染まっていて、そして茶色になり散った。住んでいる街には夙川公園という桜の名所があって、川沿いを海まで歩きながら赤い葉っぱを集めて本に挟んでいた。 いつも気づかない間に秋になり、すぐ冬になる。最後まで半袖を着ていた部活の先輩が長袖を着るようになったり、駅前の銀杏が色づいたり、ふと見上げた鰯雲が綺麗だったり、そういう「秋っぽさ」をこの時期いくつも目にするのだけれど、「はい! 今から秋になりました!」みたいな劇的…