薔薇色の道:中村武羅夫 1935年(昭10)新潮社、昭和長編小説全集第6巻。 1955年(昭30)東方社刊。 成功した実業家高濱惣造の御曹司陽一郎は、28歳になっても仕事につくことなく、同じ富裕層の道楽息子たちと日々遊び暮らしている。盛大な誕生パーティの後も、仲間と銀座に繰り出したのに飽き足らず、横浜のキャバレーまで遠出した。そこで可憐な女給に執拗に絡んでいた外国の船員と乱闘になる。陽一郎はその女給マユミと親しくなるが、彼女は胸を病んでいた。ドライブ先の箱根で倒れたマユミを入院させ、陽一郎は親身に介抱するが、時間の問題だった。 彼女は陽一郎に頼んで、疎遠にしていた妹絹子を探してもらい、自分が死…