宮崎駿にとっての飛行機とは何だろうか。 そんなことを思った。 きっかけはある一冊の本。サン=テグジュペリの「人間の土地」。 新潮文庫から出ている、堀口大學訳の本。原書の初出は1939年のフランス。今回読んだ版での初版は1955年で、古い。読みづらさはかなりあったが、良い文章だった。本の末尾、訳者のあとがきの後、宮崎駿の寄せ書きがあった。その文を読んで、「風立ちぬ」と「紅の豚」を見返した。 ちなみに「人間の土地」はいろんな出版社から出ている。光文社古典新訳文庫から2015年に渋谷豊訳で、「人間の大地」というタイトルでも出ている。そっちなら、もう少し読みやすかったかもしれない。 本の内容は作者のサ…