1918〜85年。ニューヨーク生まれ。
作品には、「マイノリティへの過剰な共感」「物語性よりも、奇妙なテイスト、価値観の変容を重視」「求めても求めても得られない、孤独な個人の間での共同性への指向」「人生の残酷面を直視する一方、過剰な感傷性もあわせもつ」等の、異様な特性を持ち、「SF界のガロ系作家」ともで呼ぶべき、ワン&オンリーの作風である。
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こんにちは、皆さん!一人ぼっちユウトです。今日は、シオドア・スタージョンの傑作『夢見る宝石』について語りたいと思います。スタージョンは「人間とは何か?」という問いを小説を通して深く掘り下げる作家ですが、本作もまた、その魅力が存分に詰まった作品です。 『夢見る宝石』の魅力『夢見る宝石』は、形を変え、意志を持つ宝石が登場する物語です。この宝石は持ち主の精神に強く影響を与え、持つ者の願望や内面を露わにする力を持っています。この設定だけでもワクワクしませんか? 登場人物たち本作には、さまざまな背景を持つ登場人物が登場します。彼らはこの神秘的な宝石と関わることで、自身の隠された欲望や恐怖と向き合わざるを…
著者:シオドー・スタージョン翻訳:井上勇出版社:東京創元社 長い間積んでいた本書を時間をかけて読んだ。 時間がかかったのは、読点でブツ切れの文章が読みにくくて 集中できなかったからだが、原文からしてそうなのだろうか。 ヴァン・アレン帯の異常で火に包まれる地球を救うべく 原子力潜水艦シービュー号が見解の相違から終われる立場に落ち入り、 逃亡しながら地球を救うというのがざっくりした内容だが 映像作品をスタージョンがノベライズしたという珍しい作品。 おかげでスタージョンとしては理解しやすい部類の作品ともいえる。 当時(1965年)はともかく、今となっては海洋アドベンチャーって感じ。 若い頃に読んでい…
著者:シオドア・スタージョン翻訳:大村美根子出版社:東京創元社 先月「夢みる宝石」を読んだ勢いのまま同じく積んでいた本書にチャレンジ。 いきなり「ここに、そしてイーゼルに」でスタージョンの洗礼を受け途方に暮れる。 何冊も読んでいるのになかなか慣れない。。。 しかしその後の短篇はほぼ読み易く安堵。 SFではない作品が多くスタージョンの幅を感じるが、 描かれる様々な愛の物語はやはり「らしさ」を漂わせている。 思いもしない変化球が多いんだよなあ。 期待していた作品群とは趣きが違っていたが 好きな作品としては「きみなんだ!」 「ジョリー、食い違う」 「〈ない〉のだった―本当だ!」など、期待していなかっ…
著者:シオドア・スタージョン翻訳:永井淳出版社:早川書房 長い間積んでいたが、昨年新訳版が出てしまったので慌てて読む。 久しぶりのスタージョンはやっぱりスタージョンだ。当たり前だ。 「人間以上」同様、特殊能力と人間関係の描き方が独特で ストレートに理解することが難しいが、 読み進めるに従いその奇妙な世界観が沁み込んできて目が離せなくなる。 何とも愛おしい気持ちが湧いてくる。 そうそう、これがスタージョンなんだな。きっと。 スタージョンの独特な愛情表現には翻弄もさせられるが、 生き物としての水晶を通して映し出す人間の本質を見せつけられているようだった。 新訳版だともう少し分かり易くなっているのか…
スタージョン『夢みる宝石(The Dreaming Jewels,1950)』新訳を読了。 寂しがり屋の人間嫌い、ないものねだりの変人スタージョン(←個人の見解です)の 処女長編……というほど長くはないSF幻想ビルドゥングスロマン。 夢みる宝石 (ちくま文庫 す-31-1) 作者:シオドア・スタージョン 筑摩書房 Amazon スタージョンは割りと好きだけどこれは読んでいなかった。 なんというか……SFあるいは幻想文学というより、 狭義のファンタジーなのかと思っていたので。 ja.wikipedia.org 夢みる宝石 (ハヤカワ文庫SF) 作者:シオドア スタージョン 早川書房 Amazon…
◆『輝く断片』シオドア・スタージョン 再読。 「取り替え子」 遺産相続のため、赤ん坊の世話をして家庭的なところを親戚に見せなくてはいけない夫婦。偶然現れた赤ん坊はで、というコメディ。切れの良い会話が楽しい一作。 「ミドリザルとの情事」 冒頭いきなり怪我人を助ける夫婦の描写から全く思いもかけない方向に転がっていく。先駆的なテーマを含め、スタージョンの特質がよく現れている。ティプトリージュニア「男たちの知らない女」も連想させる。 「旅する巌」 時によくわからない作品があるスタージョンだが、これもそうした部類。解説にあるように無理矢理SFにしたと考えると納得がいく。ただ、ヒット作後に書けなくなった作…
本日に関西からの最後の客人は暑いところに戻って行き、当方の夏の家の このシーズンの利用は終わりとなりました。どこかから話がありましたら、 受け入れは可能ですが、とりあえず休業となります。 空港へと送り届けた帰りに市内東部地区にあるブックオフに立ち寄ることに なりました。お盆時期のセールは終わっていましたので、予算はワンコインと なります。 店に入って早々に目に入ったのは、比較的新しい単行本でありまして、当方の 守備範囲のものではありますが、これはどんなものかと買ってみることになり です。 輝く断片 (奇想コレクション) 作者:シオドア・スタージョン 河出書房新社 Amazon 小説家の名前は初…
輝く断片 (河出文庫) 作者:シオドア・スタージョン 河出書房新社 Amazon 『輝く断片』シオドア・スタージョン著 大森 望他訳、読了。 8篇の短編が収録されているが、やはり、トリをつとめる表題作が図抜けていい。大御所伊藤典夫の翻訳が、また、いい。なら他の作品がつんまないか。そんなことはない。 ライトノベルのサイコホラー物で物足りない人には、一読をおすすめする。読んでいてひりひりしてしまった。 リュック・ベッソンがプロデュースした映画『つめたく冷えた月』をご存知だろうか。原作がブコウスキーの。といえば、テイストはわかるかもしれないが。ネタバレはご法度なんで、あの映画が好きな人なら、『輝く断…
宇宙からのメッセージ 海辺に流れ着いた壜の中のメッセージはどこかミステリアスな気がする。どのような願いと祈りが込められているのだろう。 孤独な人が瓶のなかに「寂しくて死にたい」というメッセージを入れて海に流した。長い年月の末、たまたま海辺でその瓶を見つけた人がそのメッセージを読んだ。 じつはその瓶を見つけた人も孤独だったので、瓶が流れてきた海の彼方をみつめて「だれが流したのだろう」と思った。 もしこれが地球の海ではなく、宇宙空間だったとしたらどうだろう。 遠い宇宙の果てにも孤独な人がいた。その人も地球人と同じように祈りを込めてメッセージを流した。もちろん宇宙空間なので瓶ではなく小さな円盤にメッ…