シェイクスピアの作品の一つ。古代ローマの政治家、ユリウス・カエサル*1に材を取った*2悲劇。政治劇としてのわかりやすさ、演説と民心の移ろい、文体の簡潔さなど、見るべき点は多い。
1599年初演。後の悲劇時代の先駆けをなす点でも重要である。
ポンペイ*3の残党を討ち果たしローマに凱旋したシーザー。
高潔の士マーカス・ブルータスはキャシアスに使嗾され、シーザーが王にならんとしていると考え、共和制を守るために暗殺せねばならぬと決意する。
目をかけていたブルータスが暗殺者に加わっているのを見たシーザーは「ブルータス、お前もか」と言いつつ死亡。
民衆の憤激を鎮めるために演説するブルータス。「私はシーザーを愛さないのではなく、ローマを愛したから(シーザーを斃したの)だ」と演説。一応の納得を得る。
が、続いて登場したマーク・アントニー*4が「シーザーを葬るためであって、讃えるためではない」と前置きしつつ雄弁にものを言わせてシーザーを擁護して暗殺者を弾劾。ブルータスたちは逃亡を余儀なくされる。
アントニーは将軍レピダス*5、シーザーの養子オクテイヴィアス*6らと同盟し、ローマを牛耳ることに成功する。
フィリッピの野でアントニー=オクテイヴィアスの連合軍はブルータス=キャシアス軍と戦う。敗れたブルータスは自害する。勝者アントニーとオクテイヴィアスはブルータスの人徳を讃えつつ、遺骸を伴って退場する。
バーナード・ショー 『シーザーとクレオパトラ』*7