経済学上の法則の一。「セーの法則」とも。
「供給は自ら需要を作りだする」として、商品は作りさえすれば、価格調整機能がはたらき、売れ残りはいずれなくなる仮定した古典派経済学の考え。この考えは、生産手段が未成熟な時代には適合した。 しかし、産業革命がすすみ、1929年におきた世界恐慌という事態を古典派経済学では説明できなくなった。セイの法則では失業問題を説明できないとして、ケインズ経済学がうまれた。
セイの法則(Weber's law)は、心理物理学の法則の一つであり、刺激の強度と感覚の知覚の関係を説明する法則です。この法則は、ドイツの心理物理学者であるエルンスト・ハインリッヒ・ウェーバー(Ernst Heinrich Weber)によって提唱されました。 セイの法則によれば、感覚の知覚は、刺激の強度の変化に対して一定の比率で変化するとされています。具体的には、感覚の知覚の差(ΔS)は、元の刺激の強度(S)に比例するという関係が成り立ちます。数式で表すと以下のようになります: ΔS / S = k ここで、ΔSは感覚の知覚の差、Sは刺激の強度、kは定数(ウェーバー定数)です。ウェーバー定数…
倒錯した経済学 倒錯した経済学 非論理的 主流派経済学の限界 日本の経済学の主流として、「生産物は常に生産物と交換される」としたセイの法則がある。これは論理的に正しいかどうかは、経済学を知らない一般人でも首をかしげるのではないだろうか。 主流派経済学を学んだ人の中でもこの議論を避けるようになりつつあるが、まだ盲信している人達の間ではこのように言われているのことご存知だろうか。 「供給はそれ自らの需要を生み出す」 例えば、あなたが物を100個作り市場に出せば、それが100個売れるという考え方だ。この考え方は物々交換説から発展したものではあるが、物を売ったことのある人はそんなわけあるかと即座に否定…
こちらの記事で、自己投資・人間関係・取引交渉・企画クリエイティブ・マネジメントに役立つビジネスの法則をご紹介します。ビジネスの幅広い場面で役立ちます。ぜひ、ご活用ください。 執筆者の紹介 ビジネスの法則の背景となる心理学 自己投資に役立つビジネスの法則 1万時間の法則 1.01の法則と0.99の法則 リトルウッドの法則 マシュマロの法則 エメットの法則 スタージョンの法則 メイヤーの法則 マーフィーの法則 チズホルムの法則 努力逆転の法則(エミール・クーエの法則) ドレイゼンの復元力の法則 ズーニンの法則 マーチンゲールの法則 ゆでガエルの法則 ヴァン・ヴェーレンの法則 アンナ・カレーニナの法…
今日はこのシリーズの続き。 hiroringo.hatenablog.com 『小室直樹の中国原論』を読んで学んだことをメモにする。 【新装版】小室直樹の中国原論 作者:小室直樹 徳間書店 Amazon 17 第5章を読む_後編後半 前回は、中国における「歴史は繰り返す(以下略)」の実例を見てきた。 今回は、この続きである。 ここまで、中国人の歴史に対する執念、「歴史は繰り返す」という法則の存在に言及した。 ここから、話は近現代へ移る。 まず、著者は、「現代の中国人は歴史に関心がないため、『歴史からエートスを抽出する方法』は有効ではなくなっていないか」という質問に答える形で「現代の中国人のエー…
経済学の勉強をすると、セイの法則という言葉が出てきます。セイの法則は財市場を捉える方法のひとつですが、有効需要の原理と対立の関係にあります。 今回は公務員試験のマクロ経済学より、セイの法則と有効需要の原理の違いを解説します。理論の違いを押さえつつ、自分なりにも比較できるようにしてください。 ◆この記事でわかること◆ ・セイの法則の仕組みと具体例・有効需要の原理の仕組みとセイの法則との違い・世界恐慌にかかるアメリカの対応・財政政策と金融政策の関わり合い セイの法則とは セイの法則の具体例 古典派は財と労働に着目 古典派と貨幣市場 セイの法則の限界 セイの法則と有効需要の原理との違い 有効需要の原…
ー2)データサイエンスの世界観 護送船団方式のコストを読むために必要な知識をまとめておきます。 今回は、経済発展をデータサイエンスの世界観で整理してみます。 -2-1)経済発展のモデル 読者がある商品を購入する場合の選択を考えてみます。 選択の基準は大きく分けて3つあります。(注1) 第1の方法(RO戦略)は、コストパフォーマンス重視です。 同じ価格であれば、品質と性能の良い製品が選ばれます。 これは、経営学のレッドオーシャン(RO)に相当します。 ROで生き残るためには、コストを下げ、品質をあげることが必要です。 このためには、DXが重要な要素になります。 第2の方法(BO戦略)は、独自性の…
生産性、複利と貧困 現代貨幣理論(MMT) 2012年2月24日、イタリアのリミニでティーチ・インが開催された。この草の根イベントはイタリアの調査報道ジャーナリスト、パオロ・バーナードによって企画され、2,181人の参加者を集めた。彼の貢献により、私のUMKCの同僚であるステファニー・ケルトン、ビル・ブラック、マーシャル・アウアーバック、そしてフランスからアラン・マルケスを招くことができた。ボニー・フォークナーは、3月9日にパシフィカ・ラジオの番組『Guns and Butter』で放送するための録音テープを監修・準備し、メディア・ルーツのフィリペ・メッシーナがテープ起こしした。 私の講演は、…
「セイの法則」とは? 「セイの法則」は、古典派経済学における重要な概念の一つです。この法則は、供給と需要の関係に焦点を当て、経済全体において需要が供給を創り出すと主張するものです。19世紀の経済学者ジャン=バティスト・セイ(Jean-Baptiste Say)によって提唱されました。 以下に、セイの法則の主要な要点を詳しく説明します。 法則の内容 セイの法則によれば、「供給は自己需要を創り出す」という考え方が成り立つとされています。つまり、生産される商品やサービスの供給が増加すると、それによって人々の所得が増加し、それによって需要が自然に生まれるとされています。 需要と供給 セイの法則は、需要…
「セイの法則」とは、神経生理学者のエルンスト・セイ(Ernst Heinrich Weber)によって提唱された感覚の法則です。セイの法則は、外部刺激の強度と感覚の主観的な知覚の関係を表現する法則として知られています。 セイの法則は、主に触覚や圧力の知覚に関連しており、以下のような特徴を示しています。 1. ウェーバーの法則(ウェーバー=フェヒナーの法則): セイの法則は、ウェーバーの法則とも呼ばれます。ウェーバーの法則は、外部刺激の増加量に対する感覚の増加量の比率が一定であるという法則です。具体的には、外部刺激の増加量が大きい場合は感覚の増加も大きくなり、外部刺激の増加量が小さい場合は感覚の…
今日はこのシリーズの続き。 hiroringo.hatenablog.com 『数学嫌いな人のための数学』を読んで学んだことをメモにする。 数学嫌いな人のための数学―数学原論 作者:小室 直樹 東洋経済新報社 Amazon 27 第5章の第4節を読む 第4節のタイトルは「経済の相互連関を単純なモデルで理解する」。 第3節で登場した最単純ケインズモデルと数学を使って、経済学のエッセンスを見ていく。 まず、最単純ケインズモデルの内容を確認する。 この点、限界消費傾向をa(0<a<1)、投資関数をIとし、消費関数をC、生産関数・所得関数をYとするのは前回と同様である。 また、これらの言葉には「国民(…
今日はこのシリーズの続き。 hiroringo.hatenablog.com 『数学嫌いな人のための数学』を読んで学んだことをメモにする。 数学嫌いな人のための数学―数学原論 作者:小室 直樹 東洋経済新報社 Amazon 26 第5章の第3節を読む(後編) 前回は数学において重要な概念を用いながら、最単純ケインズモデルについてみてきた。 今回はこの続きである。 サミュエルソンはシンプルなモデルの形で表現し、ケインズの主張が具体的に分かるようにしたのである。 とはいえ、サミュエルソンの説明の背後にはレオン・ワルラスの業績がある。 なお、レオン・ワルラスについては次のメモで参照している。 hir…
今日はこのシリーズの続き。 hiroringo.hatenablog.com 『数学嫌いな人のための数学』を読んで学んだことをメモにする。 数学嫌いな人のための数学―数学原論 作者:小室 直樹 東洋経済新報社 Amazon 25 第5章の第3節を読む(前編) 第3節のタイトルは「経済の相互連関を単純なモデルで理解する」である。 前回までに恒等式と方程式の違いを確認し、さらに、古典経済学派のドグマたる「セイの法則」とケインズが発見した「有効需要の原理」についてみてきた。 この節では、ケインズの最も単純なモデルを使って経済の相互連関作用をみていく。 この点、有効需要の原則は「需要が供給を作る」とい…
今日はこのシリーズの続き。 hiroringo.hatenablog.com 『数学嫌いな人のための数学』を読んで学んだことをメモにする。 数学嫌いな人のための数学―数学原論 作者:小室 直樹 東洋経済新報社 Amazon 24 第5章の第2節を読む 第2節のタイトルは「国民(national)を理解すると経済が分かる」。 第1節では、「恒等式と方程式の違い」と「古典経済学派のドグマ」たる「セイの法則」についてみてきた。 第2節はこれらの話を前提にして進んでいく。 なお、今回の話の歴史的な部分については次の読書メモでも参照している。 hiroringo.hatenablog.com 前セッショ…
今日はこのシリーズの続き。 hiroringo.hatenablog.com 『数学嫌いな人のための数学』を読んで学んだことをメモにする。 数学嫌いな人のための数学―数学原論 作者:小室 直樹 東洋経済新報社 Amazon 23 第5章の第1節を読む 第5章のタイトルは「数学と経済学」。 そして、扉絵にある学者はジョン・メイナード・ケインズである。 ここから数学と経済学の具体的な内容に入る。 第1節のタイトルは「ちょっぴりの数学で理論経済学の極意が分かる」。 ここから生徒と講師(小室先生)の講義形式となる。 ところで、第5章の第1節の書き出しで先生役の小室先生は次のような主張をしている。 「一…