佐藤育代・遠藤康子『マニラ発 妻たちのピナトゥボ応援団』明石書店を読了。 1991年4月、フィリピンのピナトゥボ火山が大爆発をおこした。それは20世紀最大規模の噴火で、噴煙は地球中を覆い、地球に到達する太陽光は最大で5%減少し、地球の気温は平均で0.4度下がった。北半球は冷夏に見舞われ、日本では米が凶作となり、平成の米騒動を引き起こした。 そのピナトゥボ山のふもとには、アエタ族というネグリート系先住民族が暮らしていたが、噴火によって住む場所を失い、避難所生活でも十分な支援が受けられず、子どもを中心に病気や栄養失調で多くの命が失われることとなった。このアエタ族がもっとも深刻な被害を受けたにもかか…