今回は塩野七生氏の「ローマ人の物語」を要約していきます。26は「賢帝の世紀」の下巻です。五賢帝の一人である第十四代ローマ皇帝ハドリアヌスの21年間の治世後半と第十五代ローマ皇帝アントニヌス・ピウスの23年間の治世を取り扱います。ハドリアヌスのパートは二回目の大規模なローマ帝国巡行を行い、またしても勃発したユダヤ戦役とユダヤ問題を中心に描かれます。ローマ帝国統治至上1・2を争うくらいに平和で安定政権を長期に築きあげたアントニヌス・ピウスのパートはその生い立ち・パーソナリティと第十六代ローマ皇帝マルクス・アウレリウスに大きく影響を与えたアントニヌス・ピウスの政治哲学を中心に描かれます。 「ローマ人…