歴史作家、塩野七生による大長編『ローマ人の物語』(新潮文庫)全43巻を紹介していくこのコーナー。前巻では、3人目の「五賢帝」ハドリアヌス(76~138、在位117~138)の治世前半が描かれました。 今回紹介する『ローマ人の物語(26)賢帝の世紀(下)』(新潮文庫)では、ハドリアヌスの治世後半および4人目の「五賢帝」アントニヌス・ピウス(86~161、在位138~161)の時代について見ていきます。 ローマ人の物語 (26) 賢帝の世紀(下) (新潮文庫) 作者:七生, 塩野 新潮社 Amazon ユダヤ教徒への挑発的政策を断行 ハドリアヌス治世後期で特筆すべき出来事は、131年に勃発したユダ…