降りしきる雨の中、寂れた寒村に野盗の影が忍び寄る。 薄汚れた着物が泥に濡れるのも厭わず、老婆は懸命に走っていた。 背負ったわずかな米俵が、飢えた村人の命綱だ。 しかし、鬼のような野盗の影が、苦しめている。 「いいか。次は年貢の米を頂きに来るからな。」 捕まった老婆に野盗は言いつけた。 途方に暮れる百姓たち。 長老の儀助は、最後の望みを託し、都へ侍を探しに行くことを決意する。 「侍様、どうか我々をお助けください!」 都で出会ったのは、勘兵衛という隻眼の浪人。 かつては武名を馳せたが、今は静かに暮らしていた。 百姓たちの悲痛な訴えに、勘兵衛の胸に眠っていた武士の魂が再び燃え上がる。 「面白き戦、致…