訓読 >>> 2468湊葦(みなとあし)に交(まじ)れる草の知草(しりくさ)の人皆(ひとみな)知りぬ吾(わ)が下思(したも)ひは 2469山ぢさの白露(しらつゆ)重(おも)みうらぶれて心に深く吾(あ)が恋やまず 2470湊(みなと)にさ根延(ねは)ふ小菅(こすげ)ぬすまはず君に恋ひつつありかてぬかも 要旨 >>> 〈2468〉河口の葦に交じっている知草の名のように、誰もが知ってしまった、私のひそかな胸の内を。 〈2469〉山ぢさの葉が白露の重みでうなだれているように、私の心もすっかり沈んでいるけれども、心の底に深々と私の恋は一向に止まない。 〈2470〉河口にひそかに根をのばす小菅のように、人…