訓読 >>> 4506高円(たかまと)の野の上(うへ)の宮は荒れにけり立たしし君の御代(みよ)遠(とほ)そけば 4507高円の峰(を)の上の宮は荒れぬとも立たしし君の御名(みな)忘れめや 4508高円の野辺(のへ)延(は)ふ葛(くず)の末つひに千代(ちよ)に忘れむ我が大君(おほきみ)かも 4509延(は)ふ葛(くず)の絶えず偲(しの)はむ大君(おほきみ)の見しし野辺(のへ)には標(しめ)結(ゆ)ふべしも 4510大君(おほきみ)の継ぎて見すらし高円の野辺(のへ)見るごとに音のみし泣かゆ 要旨 >>> 〈4506〉高円の野の上の宮はすっかり荒れてしまった。ここにお立ちになった大君(聖武天皇)の御…