訓読 >>> 2600百代(ももよ)しも千代(ちよ)しも生きてあらめやも我(あ)が思(おも)ふ妹(いも)を置きて嘆くも 2601現(うつつ)にも夢(いめ)にも吾(われ)は思はずき古(ふ)りたる君にここに逢はむとは 2602黒髪(くろかみ)の白髪(しろかみ)までと結びてし心ひとつを今(いま)解(と)かめやも 2603心をし君に奉(まつ)ると思へればよしこのころは恋ひつつをあらむ 要旨 >>> 〈2600〉人間は百年間も千年も生きていられるだろうか、生きられはしない。だから私の愛する妹と離れた旅先で悲しくて泣いている。 〈2601〉この世ではもちろんのこと、夢の中ですら思いませんでした。仲が絶えた…