訓読 >>> 3378入間道(いりまぢ)の於保屋(おほや)が原(はら)のいはゐつら引かばぬるぬる我(わ)にな絶(た)えそね 3379我(わ)が背子(せこ)を何(あ)どかも言はむ武蔵野(むさしの)のうけらが花の時なきものを 要旨 >>> 〈3378〉入間の於保屋が原に生える蔓のように、引いたら滑らかに靡いて、私との関係を絶やさないようにしておくれ。 〈3379〉あの人に何と言ったらよいのか、武蔵野のおけらの花が時を選ばず咲くように思い続けているのに。 鑑賞 >>> 武蔵の国(東京都・神奈川県・埼玉県にまたがる地域)の歌。3378の「入間」は、埼玉県入間郡、入間市、川越市、所沢市などの一帯。「於保…