訓読 >>> 1518天(あま)の川(がは)相(あひ)向き立ちてわが恋ひし君 来ますなり紐(ひも)解き設(ま)けな [一云 川に向ひて] 1519久方(ひさかた)の天の川瀬に舟(ふね)浮(う)けて今夜(こよひ)か君が我(わ)がり来(き)まさむ 要旨 >>> 〈1518〉天の川に向かって立っていると、私の恋しいあなたがいらっしゃるようだ。紐を解く準備をしましょう。[その川に向かって] 〈1519〉天の川の渡りに船を浮かべて、今夜はあの方が私のもとにいらっしゃるだろうか。 鑑賞 >>> 題詞に「山上憶良が七夕の歌十二首」とあるうちの2首。もっぱら現実主義の歌が多い憶良の歌の中にあって、違った面を見…