訓読 >>> 4442我が背子がやどのなでしこ日並(ひなら)べて雨は降れども色も変はらず 4443ひさかたの雨は降りしくなでしこがいや初花(はつはな)に恋(こひ)しき我が背(せ) 4444我が背子がやどなる萩の花咲かむ秋の夕(ゆふへ)は我れを偲(しの)はせ 4445鴬(うぐひす)の声(こゑ)は過ぎぬと思へども染(し)みにし心なほ恋ひにけり 要旨 >>> 〈4442〉あなたのお庭のなでしこは、幾日も続いて雨に降られていますが、色一つ変わりませんね。 〈4443〉雨が降り続いていますが、ナデシコの花は今咲いたかのように初々しく、その花のようにいとしいあなたです。 〈4444〉あなたのお庭の萩の花が…