訓読 >>> 1520彦星(ひこほし)は 織女(たなばたつめ)と 天地(あめつち)の 別れし時ゆ いなむしろ 川に向き立ち 思ふそら 安けなくに 嘆くそら 安けなくに 青波(あをなみ)に 望みは絶えぬ 白雲に 涙は尽きぬ かくのみや 息(いき)づき居(を)らむ かくのみや 恋ひつつあらむ さ丹塗(にぬ)りの 小舟(をぶね)もがも 玉巻きの 真櫂(まかい)もがも [一云 小棹(をさお)もがも] 朝なぎに い掻(か)き渡り 夕潮(ゆふしほ)に[一云 夕(ゆふへ)にも] い漕(こ)ぎ渡り ひさかたの 天(あま)の川原(かはら)に 天飛(あまと)ぶや 領巾(ひれ)片敷き 真玉手(またまで)の 玉手さし…