訓読 >>> 4328大君(おほきみ)の命(みこと)畏(かしこ)み磯(いそ)に触(ふ)り海原(うのはら)渡る父母(ちちはは)を置きて 4329八十国(やそくに)は難波(なには)に集(つど)ひ船(ふな)かざり我(あ)がせむ日ろを見も人もがも 4330難波津(なにはつ)に装(よそ)ひ装ひて今日(けふ)の日や出でて罷(まか)らむ見る母なしに 要旨 >>> 〈4328〉大君のご命令を恐れ畏んで、磯から磯を伝いながら、海原を渡っていく、父母を置いたまま。 〈4329〉諸国の防人たちが難波に集結し、船かざりをして船出に備える。その日の晴れ姿を見送る人がいてくれたらなあ。 〈4330〉難波津で船を飾り立てて…