「貯金するくらいなら旅に行け」 私が学生時代に父がよく言っていた言葉。 初めてバイトの給料をもらった時 両親を食事に誘った。 「お前の金に助けられるほど困っていない。 自分の稼いだお金は自分のために使え。」 別に助けるとか、そんじゃなくて 感謝の気持ちだったけど 父は不器用なのか、そう言った。 「じゃあ大切にとっておくね。」 「まだ若いのに、残しておいて何になる。 旅行でも行ってこい。できれば海外に。」 「そんな贅沢できないよ。」 「遊びに行くんじゃない。世界を知りなさい。」 それからも私が給料はいる度に 「どこかに行ってきなさい。」と言った。 そんな私が初めて行ったのは北海道だった。 普段少…