サントリーホールでジョナサン・ノットの音楽監督としての最後の定期を聴き、その翌日に大津に飛んで20時間後にまた同曲を聴くというヘビーな二日間だった。沼尻竜典と京都市響のマーラーシリーズ第六弾はマーラの交響曲第9番ニ長調の一本勝負だ。複雑さを明晰に整理してその面白さを聴衆につきつけたようなノットのアプローチに対して、沼尻は複雑な紆余曲折を作曲者の頭で整理して分かり易く聴衆に寄り添って解き明かしてくれたような演奏だった。全編に渡って人間的な温かさが支配したのが何よりの特徴で、終楽章を待つまでもなく音楽に優しく包容された時間はこれまでのこの曲では無い経験だった。その中で、もう先も短くなりつつある我が…