これは 3月1日から3月9日までのでき事 の続きです。 ξ 与謝野晶子(1878~1942)の「君死にたまふことなかれ」の一節が浮かんで古い詩本を取り出した。 「君」とは、実の弟で、日露戦争に召集され旅順(中国)でロシアと戦っていた。 弟は24歳、まだ新婚、間もなかった頃である。 当然だがこの反戦詩は「日本の興亡を賭けた戦争」のさなかに何と不謹慎な、との批判が多かった。 しかし嘆きと怒りの感情が、まっすぐな張りつめた論理を構成して世間を切り裂いていった衝撃は大きく、天才歌人・詩人、晶子の代表作のひとつとなった。 現在こういう、世間を切り裂いていく天才は、どこかにいるだろうか。 ξ ベストセラー…