第6章:零度施設氷結した通路の先、空気はさらに重く、息をするたびに肺が凍りつくようだった。 ハリントン・ハリス中尉は、ノーラが消えた穴を通って地下に進んでいた。その先には、巨大な迫撃砲弾がずらりと並ぶ保管庫。 「……40センチ砲か。こんなものが連邦各地に打ち込まれていたのか」 薄暗い照明がかすかに砲弾の側面を照らし出す。冷却剤の蒸気が足元に流れ、視界を白く霞ませる。 その瞬間―― パパパッ! 乾いた銃撃音が響いた。弾丸がハリストンの横をかすめ、後方の弾薬箱を粉砕する。 「ッ……っ! 見えない!?」 即座に床へ伏せ、銃を構えるも、周囲には人影すら見えない。 だが、確かにいる。 白い蒸気の中、わず…