塗装工事の請求書を受け取ったとき、私はその「包み方」にふと目が留まった。中身は、よくあるペラペラの請求書。コピー用紙よりもさらに薄い、いわゆる「薄紙」だ。でもそれが、厚手のしっかりとした封筒に丁寧に収められていた。 その封筒には会社名や住所が印刷されていて、いかにも「ちゃんとした」印象を与える。すでに名刺も注文書ももらっていたし、渡してくれたのは郵送ではなく、現場での手渡し。だから正直、「ここまでしなくてもいいのでは」と思った。 けれど、そこにはちゃんと意味があるのかもしれない。 まず、現場の職人さんは作業中で手が汚れていることも多い。請求書1枚だけをむき出しで渡せば、汚れたり折れたりする可能…