伊勢を流れる神聖なる川 ― 五十鈴川のすべて 1. 五十鈴川とは ― 伊勢神宮を守る清流 伊勢神宮の内宮(皇大神宮)へ向かう際、最初に目にするのが五十鈴川にかかる宇治橋。この宇治橋は、日常の世界(俗世)と神聖な世界(神域)をつなぐ象徴的な「架け橋」として、多くの参拝者にとって特別な意味を持ちます。橋の正面には美しい大鳥居がそびえ、誰しもが一礼してから、神域へ足を踏み入れる――そこから伊勢詣の「心の旅」が始まるのです。 五十鈴川は、伊勢神宮を中心に約20キロにわたって流れる清流です。神路山・島路山を源流とし、伊勢湾へと注ぐこの川は、古くから“御裳濯川(みもすそがわ)”という別名で呼ばれてきました…