姫君自身は、こんなりっぱな品々でなくても、 実父の手から少しの贈り物でも得られたのならうれしいであろうが、 知らない人と交渉を始めようなどとは意外であるというように、 それとなく言って、 贈り物を受けることを苦しく思うふうであったが、 右近は母君と源氏との間に結ばれた深い因縁を姫君に言って聞かせた。 人々も横から取りなした。 「そうして源氏の大臣の御厚意で ごりっぱにさえおなりになりましたなら、 内大臣様のほうからもごく自然に認めていただくことができます。 親子の縁と申すものは絶えたようでも絶えないものでございます。 右近でさえお目にかかりたいと 一心に祈っていました結果はどうでございます。 …