勝者の呪いとは、オークションで発生する可能性のある現象で、出品物の市場価値より落札額が高くなる現象のこと。この市場価値と落札額との差を縮める方法を含む理論が、2020年ノーベル経済学賞の対象になった。 オークションでは、落札者は出品物の市場価値を過大評価した結果、過大に支払う傾向がある。これは、落札者が、他者が高額の入札を行うと仮定して、自らも高額の入札を行うためである。 例えば、油田の実際の本源的価値が1,000万ドルである場合、石油会社はその価値を500万ドルから2,000万ドルの範囲であると推測はできる。油田を2000万ドルと誤って見積もり、その価格で入札した会社はオークションに勝つが、…