訓読 >>> 2449香具山に雲居(くもゐ)たなびきおほほしく相(あひ)見し子らを後(のち)恋ひむかも 2450雲間(くもま)よりさ渡る月のおほほしく相(あひ)見し子らを見むよしもがも 2451天雲(あまくも)の寄り合ひ遠み逢はずとも他(あた)し手枕(たまくら)我(わ)れまかめやも 要旨 >>> 〈2449〉香具山にかかる雲のようにおぼろげに見たあの娘を、後に恋しく思うことだろう。 〈2450〉雲間を渡っていく月のように、ぼんやりと見かけただけのあの子だけど、もう一度逢うきっかけがあればなあ。 〈2451〉雲が寄り合う所のように遠くて逢えずにいるけれども、ほかの誰の手枕で私は寝たりするものか。…