訓読 >>> 2532おほならば誰(た)が見むとかもぬばたまの我(わ)が黒髪を靡(なび)けて居(を)らむ 2533面(おも)忘れいかなる人のするものぞ我(わ)れはしかねつ継(つ)ぎてし思へば 2534相(あひ)思はぬ人のゆゑにかあらたまの年の緒(を)長く我(あ)が恋ひ居(を)らむ 2535おほろかのこころは思はじ我(わ)がゆゑに人に言痛(こちた)く言はれしものを 2536息(いき)の緒(を)に妹(いも)をし思へば年月(としつき)の行くらむわきも思ほえぬかも 要旨 >>> 〈2532〉通り一遍に思うなら、誰が見るだろうと思って、私の黒髪を靡かせていましょうか。 〈2533〉顔を忘れるなんてどんな…