はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と六十五 「ゴウホウテキ トイウ マモノ」 「ナニが、ドコが、『合法的』なんだよ」 そう、吐き捨てるように呟きながら、ようやく、Aくん、奥から舞い戻ってくる。 「新潟のコシヒカリ。の、その酒と手焼きせんべい。ドチラも呑み残し、食べ残しなんだけれど、この、ザ・コシヒカリズ、が、なかなかどうして、結構、相性がいい」 ナゼか真っ赤な四号瓶の、おっ、純米大吟醸!、が、ちょっとチープなブルーとピンクのガラスのお猪口(チョコ)たちにトクトクトクと注がれる。 品のいい甘い香りがブワッとくる。まず一口。でも、甘ったるさは微塵もない。むしろ、澄み切った印象。もう一口。キレが…