「ぼくが生きてる、ふたつの世界」(2024)は耳の聞こえない両親のもとで育った青年の揺れ動く心を描いたドラマ。監督は「そこのみにて光輝く」(2014)や「きみはいい子」(2015)の呉美保で、耳のきこえない母ときこえる息子の物語を映像に紡いだ渾身の作品。 原作は、作家・エッセイストである五十嵐大の実録ノンフィクション「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」(幻冬舎刊)。 主演は吉沢亮。母役の忍足(おしだり)亜希子や父役の今井彰人をはじめ、ろう者の登場人物にはすべてろう者の俳優を起用。脚本は「正欲」の港岳彦が手がけた。 ・・・主人公は、ろうの両親の…