北海道初の国鉄電車として1967年に試作車が登場。1968年から量産開始された。
かつては旭川〜札幌間の急行「さちかぜ」(旭川〜札幌間ノンストップ)・「かむい」に使用されたこともあり、内装も固定式クロスシートが基本だったが、国鉄781系電車の導入に伴うL特急「ライラック」の増便とともに急行としての利用がなくなり、以降はローカル列車専用となる。
ローカル列車としての利用にあたっては、片側2ドアだったため札幌地区の都市化とともに乗降に時間を要するなど一部でダイヤ遅延の影響が出るようになった。その対策として片側3ドア化(ただし3両編成の中間車は構造の都合上ドア増設は行われなかった)の他、試験的にドア付近のデッキ撤廃・座席のロングシート化の改造を施されたものもある。この結果は後のJR北海道731系電車・JR北海道キハ201系気動車に反映されることになる。
札幌近郊ではJR北海道721系電車・731系電車・JR北海道733系電車・JR北海道735系電車への置き換えが進められており、製造年代の古い車両の一部では廃車が進んでいる。ただ、比較的製造からの年数の浅い1980年製造車両については、冷房化改造・シングルアーム式パンタグラフへの載せ換えなどを行った上で当面、延命させていた。
2011年6月にはドア増設及び冷房改造未施工のS-110編成1本(3両)が導入当時の塗装(右上写真の前代)に戻され、載せ替えられたシングルアーム式パンタグラフを除き、かつて急行として利用されていた時点とほぼ変わらない外装となった。さらに2012年5月にはS-114編成1本(3両)もS-110編成同様、導入当時の塗装に戻され、いずれも他の非冷房編成と共通で運用されていた。
晩年は主に岩見沢〜滝川〜旭川間で使用されていた。整備の関係など、札幌運転所への回送を兼ねて手稲駅方面へ乗り入れる列車もあったが、本数はきわめて少なくなっていた。
なお、札沼線の電車化が完了する2012年10月に、既存の711系を含めた札幌圏の電車有効活用のため、苫小牧〜東室蘭・室蘭間に使用される分については札沼線電化まで使用されたJR北海道キハ143系気動車へ振り替えられた。
2012年11月22日に、2014年度末をもって48両全ての営業運転を終了するとの報道がなされた。
また、2014年8月30日のダイヤ改正で、小樽〜旭川間を運転する同型30本のうち、16本を721系電車に置き換えることがJR北海道から発表され、実行された。これに伴い、これまで滝川〜旭川間のローカル電車に使用されてきた711系電車の一部が721系電車に置き換えられた。この置き換えまでは721系電車は基本的に滝川以遠には入線していなかった。さらに残りの14本も2015年3月14日のJRグループダイヤ改正をもって退役となり、同月末付で残存の車両も全車廃車となった。
その後は2両のみ岩見沢市内で静態保存を兼ねてカフェとして残されたが、残る車両は2015年夏から岩見沢駅構内などで順次解体された。