-----講義録始め------- 物を人間と認識する擬人化とは反対に、私たちは人間を物のように扱うことがあります。この非人間化という現象は、擬人化とちょうどコインの裏表のような関係にあります。実際、擬人化の引き金が非人間化の引き金にもなることが知られています。例えば、知覚的に類似したものが擬人化されるのとは反対に、知覚的に類似していない人間は物のように扱われやすい傾向があります。この場合の類似性は自分を基準に判断されるため、非人間化の対象となるのは主に外集団、すなわち自分を含まない集団のメンバーです。 具体的には、外国人のように自分とは見た目が異なる他者は非人間化の対象となりやすい傾向があり…