夜明け前、いつも通りに目が覚めた。でも今朝は、ちょっと違った。起きてすぐ、心の中に変なザワザワが残っていた。 きっと夢のせい。 夢を覚えてるって、それはなんかのお告げなのかな 夢の内容なんて、起きた瞬間に霧みたいに消えていくものなのに、今朝のそれは、なぜか細部までリアルに覚えていた。 それは、トイレの夢だった。 夢の中の私は、どこか知らない建物の中にいた。古びた廊下の先に、一枚のドアが見えた。見た瞬間「あ、トイレだ」と思った。中に入る。 ――そこから、何かがおかしかった。 中は薄暗く、壁はジメジメして、床もなんとなく湿っていて、すべてが不快。 そして、ドアを閉めようとした瞬間――ドアノブが壊れ…