訓読 >>> 566草枕(くさまくら)旅行く君を愛(うるは)しみたぐひてぞ来(こ)し志賀(しか)の浜辺を 567周防(すは)なる岩国山(いはくにやま)を越えむ日は手向(たむ)けよくせよ荒(あら)しその道 要旨 >>> 〈566〉都に向かって旅立つあなた方が慕わしく、ついお供して参りました。志賀島の浜辺を。 〈567〉周防の国の岩国山を越えていく日には、峠の神に心を込めてお供え物をしてください。険しくて危険な道ですから。 鑑賞 >>> 題詞に「大宰大監(だざいのだいげん)大伴宿禰百代ら、駅使(はゆまづかひ)に贈る歌2首」とあり、566が大宰大監( 大宰府の3等官)大伴百代(おおとものももよ)の歌…