「人は自分のためにしか生きられない」とほぼ同じ内容です。 カントが多く作った哲学用語の中に、仮言命令と定言命令という二つの言葉があります。 仮言命令とは「AのためにBする」というものです。たとえば「金持ちになるために医者になる」などです。 一方定言命令は、Aのために、というものがなく、無条件に好ましい「Bする」というものです。たとえば、なんのためでもなく、無条件に「人の命を救う」などです。 定言命令は仮言命令より優れる、とカントは主張します。 しかし、自然界に絶対的な価値や道徳が存在しない以上、定言命令など存在しません。同様に、なんの見返りもないのに善行を積める人間など、この世に存在しません。…