この作品の作者であり主人公でもある、喜三二《きさんじ》こと手柄岡持《てがらのおかもち》こと亀山人《きさんじん》こと朋誠堂《ほうせいどう》は、本名平沢常富《ひらさわつねとみ》という出羽国久保田藩の江戸留守居役[江戸常勤の武士]でした。「宝暦の色男」と自称して、吉原通いをしていたそうなので、『亀山人家妖』の内容もまんざらでもないのでしょうね(笑)『戯作外題鑑《げさくげだいかがみ》』[江戸後期成立か]という書物には家の化物に、喜三二が肖像、重政が筆、真に逼《せま》るといふべし。[『亀山人家妖《きさんじんいえのばけもの》』で北尾重政が喜三二の姿を描いていますが、本人に良く似ていると思われます。]と書か…