洗い物をしている間、手と目が離せないので、子うさぎにYouTubeを見せていた。 子うさぎは画面に釘付けなのか、動く気配はない。 背中に歌を受けながら皿を洗っていたら、元気な声で「おにのパンツはいいパンツ」と歌うのが聞こえてきた。 振り返ると、赤鬼が自分の履いているパンツを自慢するように強調するアニメーションが流れていた。 うさぎも小さい頃からよく聞いた歌だが、改めて聞くと変な歌詞だなと薄く笑った。 それがきっかけか、鬼にまつわる記憶がぽろぽろ溢れてきた。 そういえば昔『泣いた赤鬼』という本を読んだな。 どんな話だったっけ。 ああ、そうそう、赤鬼と青鬼がいたんだけど、人間と仲良くしたいけど鬼だ…