小川未明は明治15(1882)年生まれで、中島孤島より4つほど年下であるが、二人とも東京専門学校では坪内逍遙という恩師に出会った。また卒業後は孤島も未明も文筆で身を立てることを目指し、はじめは小説家を志すも、のちに児童文学の世界に移っていったことなど、二人の間の共通点はいくつもある。 また、頻繁に交流したのは、前回(1)の項で記したように、雑司ヶ谷で近所に住んでいた頃かと思われるが、それ以外の時代においてもつかず離れずの接点はあったと思われる。 二人の共通点について、気づくところをもう一度簡単に挙げてみると次のようになる。 ・東京専門学校(現早稲田大学)を卒業、在学中に坪内逍遙の指導を受ける。…