「人間の土地へ」小松由佳著 集英社インターナショナル 著者の小松由佳さんは、2006年に日本人女性として初めてK2に登頂した。K2は世界第2の高峰。登山者の25パーセント、4人に一人が命を落とすという世界で最も困難な山である。小松さんはK2山頂に到達した後、登山から離れ、今度はシリアの取材を始める。イスラムの世界に始めは戸惑いを感じるが、やがてその魅力に強くひかれ、シリアの青年と結婚する。 何のために本を読むのだろう。私はK2にもシリアにも行けない。しかし、本を読むことでK2登山の厳しさを感じ、シリア内戦の現実を見ることができる。この本の中で、小松さんが深くかかわったアブドュルラティーフ一家は…