大江健三郎の「壊す人」や「ギー兄さん」 をイメージがわかないままに読んできた のだが、それがわかるかなと読んでみた のがこの本である。尾崎真理子は「大江 健三郎作家自身を語る」のインタビュー 本を出して大江の研究者でもある。とこ ろがブレイクとかイェーツとか外国文学 の影響と思っていたのに、柳田国男、島 崎藤村の影響を論じる本であった。そも そも柳田も藤村も読んだことがなく、難 しくよくわからないのだが、なんとなく それらをも読み込んで影響を受けながら、 誰とも違う孤高の文学が書かれていたよ うだということだけはわかった。 むつかしかった、時間がかかった、わか らなかったけど。 大江健三郎の「…