編集者、作家。 1958年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、1982年新潮社に入社。「小説新潮」「SINRA」を担当したあと、1998年「新潮クレスト・ブックス」を企画、創刊。2002年「考える人」を創刊。2006年からは「芸術新潮」編集長も兼任。2009、2010年度慶応大学SFCにて特別招聘教授。2010年6月新潮社を退社。2012年小説『火山のふもとで』を発表。*1
*1:以下のサイトを参考にしました。 http://www.fujisan.co.jp/interview/kangaeruhito/ http://www.junkudo.co.jp/hensyusya_tana.html http://www.1101.com/sfc/2011-05-02.html
「天使も踏むを畏れるところ」(上下)の 続きが「火山のふもとで」だと知ったの で、早速引っぱり出して再読。 やっぱり瑞々しいいい物語だった。なる ほど、天使での事件の欠片が出てくる、 園芸家の藤沢衣子が出てくる、吉村順三 をモデルにした主人公の人となりもよく わかる。そうかそういう物語でもあった んだ。 ほんとうに好きな小説だとあらためて合 点した。またいつか読むだろう。 火山のふもとで(新潮文庫) 作者:松家仁之 新潮社 Amazon ktoshi.hatenablog.com
上巻を読んでから1カ月経ってようやく 読んだ。読み終えるのが惜しくすこしづ つ読んできた。下巻に入って高級官僚の 権力欲、圧力横槍に動揺しつつ、それで も全体としてゆったりと静謐に、細部に 宿る出来事が丁寧に描かれていくのを楽 しんで読み進めた。世の中の動きや小津 のことや大小にかかわらず挿入されるこ とで、皇居の出来事も世間の日常とつな がっていることを見せてくれる。 モデルの吉村順三は佐分利信に似ている との記述があった、同じように思ってい た。寡黙で泰然として包容力がある、最 後までそのとおりであった。 あの高級官僚は登り詰めたのだろうか、 宮殿はいささか実用設計では不満となっ たが、長…
今年に入ってから道外への旅行をしておりませんでした。いつもの年で ありましたら、雪解けとなったくらいの時期に一度関西などへ行っておった のですが、ことしはその時期に関西からの帰省客がありまして、行くに及ば ずとなりました。 そうこうしているうちに今年も半分近くが経とうとしていますが、先月に 決まった旅行が明日からとなります。リュック一つで荷物は7キロ以内にお さえて、身軽に気軽にでかけようです。 荷物をまとめましたら(ほとんど着替えでありますが)、旅行中に読む本 を選ぶことにです。今回の旅行はバラ見物とライブ参戦でありまして、それに ちなんだ本にしようかな、それとも読もうと思いながら積読になっ…
散文詩を読むように、小説「沈むフランシス」(松家仁之、新潮文庫)のページをめくりながら、わたしはずっと考えていました。この文章(文体、表現の作法、エクリチュール)の魅力は、どこから生まれてくるのだろう...。 なによりもまず、丁寧な記述です。言葉は繋がって文章になり、ときに陽射しの下の澄んだ水流のようにきらめき、うねり、飛び散って物語を先へ進めます。 ストーリーの骨格は単純。都会を捨てて北海道の田舎に移住したバツイチの女性と、小規模発電の水車を管理して暮らす中年男の恋愛小説です。ちなみに男は、妻と離婚協議中。冷めた眼で読むなら、恋愛の進行は平凡でときに強引であり、結末には分かりやすい破綻もハッ…
本日の13時過ぎに「当選のご案内」なるメールが入ってきました。今月の 初め頃に先行予約抽選に申し込んであったものの結果でありまして、見事に 当選したということであります。これはうれしい。ずいぶんと前からそろそろ 閉鎖と案内されている日比谷野音で開催されるライブのものでありまして、 これまで日比谷野音でのライブに参加したことがないので、たぶん最初で 最後でありましょう。 この勢いでということで、明日にはもう一本ライブフェスの申込みをしてみ ようかしらんです。若い人に混じってのライブ参加には気力と体力が必要で ありますので、トレーニングに励まなくてはです。 気力充実のためには、長編小説を読み通すと…
仕事をやめて家にいることが多くなると、よその人と話をすることが少なく なることです。当方の場合は、同居する連れ合いがおりますが、彼女と話を するのはよその人ではないのでカウントされません。 そのためには、すこしでも人のなかに入るようにしなくてはいけなくて、 運動のためにトレーニングに行くとか、図書館利用のために外出するという のは、すこしはそうした機会にありつけることを願ってのことです。 本日の図書館でであった知人は、今年に奥様を病気で亡くされたのです が、一日家にこもっていますと、それこそ誰とも、なんにも話をすることがない と言っていました。お互い様でありまして、たまには図書館で落ち合って、…
本日は朝にTVで「趣味の園芸」を見たあとに、庭仕事にでることにです。 草取りからのスタートで、まずは濡れた芝に混じっている草取りから始めると いうことで、手にはゴム手袋をはめ、膝当てをつけて、作業開始です。小さな うちに草取りをしなくては、あとになるほどたいへんです。ほとんど二時間ほど も草を取り続けることにです。 気がついたら、犬走りのところに小さなかささぎがやすんでおりました。 これはめったにないことで、当方がそばを通っても逃げないので、これはどう したことかです。せっかくでありますので、持参のスマホカメラで撮影ですが、 クローズアップした写真が保存できませんとでたりです。あらまなにかあっ…
松家仁之(まついえ・まさし)という作家を知ったのは、本猿 (id:honzaru)さんのブログを通してでした。書かれていたのは、松家さんのデビュー作である「火山のふもとで」(新潮文庫、読売文学賞受賞作)についての、最高級の賛辞を含んだレビューでした。 「これは読んでみたくなりました」とわたしがブログにコメントを残すと、本猿さんから「是非」と勧められたのです。翌日、行きつけの書店に行ったけれど見当たらず、別の書店に足を延ばしても、店頭にありません。 できるだけ本屋さんで買いたかったけれど仕方ないか...と、帰宅後にAmazonで検索。ところが品切れでした。古本を探すと単行本が何冊も見つかりますが…
天使も踏むを畏れるところ 上:松家仁之著のレビューです。 ☞読書ポイント 感想・あらすじ 松家仁之プロフィール 合わせておすすめ ☞読書ポイント 昭和・皇居・天皇・建築・絵画等々、内容は盛りだくさん。新宮殿造営に携わる人々の奮闘ぶり、それにともなう人間関係等、松家さんの静謐な文章でつづられる世界を覗いてみよう。 天使も踏むを畏れるところ 上 感想・あらすじ 上下巻なので時間がかかりそうだけど松家さんの本は読んでおきたい!と思い、早々に図書館に予約を。最近新刊がなかなか出なかったので、どうしているのか気がかりだったのですが、上下巻で読める至福の時間がやってくると思うと、待っていて良かった~と。し…
本日は雨もあがって朝から庭仕事日和でありました。朝食をとってから TVで「趣味の園芸」のバラ特集を見てから、支度をして庭にでることにです。 本日の作業は、まず昨年に挿し木したバラの植え替えをするからです。4号鉢 から6号鉢にするのですが、このまま順調に行きますと、秋には8号鉢に植え 替えとなるのですが、うまく行ってほしいことです。 その一方で、冬越しがうまくいかなかった小さなバラ苗があわせて6本くら いだめになっていまして、挿し木4本、購入した新苗2本ということで、差引き 総本数は変わらずとなります。地植えと鉢であわせて50本くらいになりです。 大きなものから挿し木した頼りないものまであわせて…