山頭火句集 (ちくま文庫) 作者:種田 山頭火 筑摩書房 Amazon 学生のとき、俳句や短歌を授業で読んでも、特に何も感じない自分だったのに、何故かこの人の「分け入っても分け入っても青い山」という句だけ、鮮明に記憶していた。そうして、山を見るたびに、私はいつも呟いていた。それなのに、どうしてもっと早く句集を読まなかったのだろうか。めちゃくちゃしっくりくる句が沢山ある。でもそれは、今だからこそ、読むべきだったのかもしれない。私が悩むこと、つらいこと、苦しいことが、もう既にこの人の句に書かれている。この人のような真っ直ぐさで、私は詩や小説を書けているだろうか。この人のように、私にも死に場所は見つ…