「現代借景 祭 2」 2025 33.0cm×33.0cm oil on canvas 僕の地元、福岡県北九州市には「山笠」という祭りがある。神を乗せた山車を、子どもから大人までが力を合わせて引いて街を巡る。幼少期の僕にとって、この隙間なく豪華絢爛に飾られた山笠は、何よりも美しくかっこよかった。 それは今も僕の美学の根幹に深く刻まれている。僕は本来なら千利休のような静かな美が好みなのに、幼い頃の記憶がそうはさせてくれない。 美意識だけではない。性格にまで影響を与えた。山笠は、直線ではゆっくりと歩き、角を曲がる時だけ爆発的なスピードで駆け抜ける。こんなスピードで直角のカーブにに突っ込むなんて不可…