(約3200文字・購読時間4分00秒) 同じ岡本太郎(以下、太郎 1911-1996)の名を冠していながら、違った展示方法、イベントが行われている、川崎市岡本太郎美術館と岡本太郎記念館を、博物館法第二条に定められている規定の中から、収集、展示・教育の観点から調査し、それぞれの施設の設立の経緯と岡本太郎の思想と合わせて考察する。さらに施策の違う両施設について事例をあげながら未来の美術館の方向性を見出す。 思想と経緯は以下の通り。 岡本太郎の思想から本項に関係するもの ・芸術は公共のものであるべきということ ・無垢な子供が描く絵は素晴らしい 設立経緯 ・川崎市岡本太郎美術館(以下、太郎美術館) 太…